骨代謝・リモデリングによる骨の力学的適応機構の解明を目指し、力学的負荷に応じた分子、細胞、組織、器官の振舞をコンピュータ上で同時観察可能なシミュレーション基盤を構築した。まず、生体内において骨細胞に負荷される力学刺激を、流体-構造連成解析により定量的に評価した。次に、加齢にともなう骨量減少の主たる要因とされている皮質骨-海綿骨転換の数理モデルを構築し、そのメカニズムを明らかにした。さらに、骨代謝における骨構成細胞動態と骨損傷発展との連成数理モデルを構築し、リモデリングシミュレーションを通じて、骨量と骨質という複合的な観点から海綿骨の荷重支持機能を評価することを可能にした。
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