水素エネルギー社会の実現に向けて,そのインフラ用構造材料の特性評価は重要な課題である.本研究は,水素に起因する構造材料の割れを,微視組織レベルの応力・ひずみ分布や水素濃度分布の観点から評価するための手法を提案し,微視組織形態の影響を把握することを可能にするものである.これにより,耐水素割れ性に優れた構造材料の微視組織形態の提案が可能になる.さらに構造化のためには,溶接・接合が不可欠であるが,溶接部の組織形態は溶接条件によってさまざまに変化する.そのような材料に対しても三次元微視組織モデルの構築により,特性を評価することを可能にしており,実用材料への展開も可能となっている.
|