本研究では,繊維強化プラスチックの樹脂含浸成形における欠陥の最小化技術として,樹脂流動とボイド形成を予測する数値解析を構築した。具体的には,粒子法(SPH)を使用して繊維,樹脂,空気の運動を予測するミクロスケール混相流解析を開発した。樹脂流入速度と表面張力,接触角条件を考慮し,繊維束内への樹脂の含浸とボイドの形成を予測した。ボイド含有率は実験結果と一致し,この結果からボイドを最小化する成形条件を予測する解析の有効性が確認された。さらに,繊維基材の一部をモデル化して真空RTMを模した粒子法解析を開発した。この解析により繊維基材の浸透率を解析的に予測できる可能性が示された。
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