研究課題
基盤研究(C)
本研究においては,塑性変形誘起の集合組織発展に加え,熱的負荷による動的再結晶をシミュレート可能なマルチスケール熱・結晶塑性有限要素解析コードを開発し,離散最適化手法を組み合わせ,Al合金板材A6022の熱間異周速圧延の最適条件を求めた.圧延後の板材の成形性(深絞り性)向上を目的に,応答曲面法を用いて,Lankford値(r値)が最大かつ面内異方性を最小とする圧延温度および異周速比を求めた.最適圧延条件における集合組織発展についても議論した.
計算力学
主に自動車車体用(ボディパネル用)アルミニウム合金について,高強度と高成形性能を兼ね備えた新規板材創製のための,非線形の熱・弾/結晶粘塑性マルチスケール有限要素法に基づくプロセスメタラジー手法を開発した.特に,板材創製過程の熱間圧延において,塑性変形と熱負荷が同時に発生するときに生じる動的再結晶を積極的に利用し,材料機能発現のための微視結晶形態制御を行う手法をコンピュータシミュレーションに基づいて開発した.これにより,数値解析法と離散最適化手法と組み合わせることにより,板材創製過程における加工プロセス条件のパラメータ最適化を行うことができた.