研究課題/領域番号 |
19K04102
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
山本 武幸 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 技術職員 (40396594)
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研究分担者 |
清水 淳 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 教授 (40292479)
小貫 哲平 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 准教授 (70400447)
周 立波 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 教授 (90235705)
尾嶌 裕隆 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 准教授 (90375361)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 表面テクスチャ / きさげ / 振動援用切削 / 摩擦 / 潤滑 / 摩耗 |
研究実績の概要 |
2020年度は、前年度に検討したドライ環境下におけるすべり試験において、摩擦および摩耗を低減させて早期になじみ状態へ移行させるのに効果的であった、機上でのバリ除去を施したテクスチャパターンを、所有する三軸同時制御式のNC加工機に工具の微小動作用のFTS(ファスト・ツール・サーボ)を追加した加工装置を用い、切込み深さ方向に単結晶ダイヤモンド圧子工具を周期振動させるという前年度と同様な方法により、アルミニウム合金試料を対象として前年度と同様な10~40%という同様な面積密度で数種類製作した。 次いで、アルミニウム合金試料上に製作されたテクスチャ表面に対し、軸受け用鋼球をスライダとして、所有するターンテーブル式のすべり試験装置を用い、市販のエンジンオイルによる比較的少量の油潤滑環境下において、複数の油量および複数のすべり速度を適用して、すべり試験を実施した。そこでは、摩擦係数の評価はもちろんのこと、レーザ顕微鏡や光学顕微鏡を用いたテクスチャの摩滅形態、鋼球の摩耗形態、摩耗粒子の形態を観察し、また、アルミニウム合金試料の摩耗量を測定するなどの評価を実施した。その結果、油量およびすべり速度によって、面積密度が摩擦に及ぼす効果は変化し、場合によっては摩擦係数の大小が入れ替わるような現象が生じることが観察された。しかしながら、おしなべて比較的に高い面積密度を有するテクスチャにおいて、低い摩擦を示すことを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初期の計画に記載したとおりに、ドライ環境において効果のあった表面テクスチャを参考に、類似したパターンによる数種類の面積密度の表面テクスチャをアルミ合金材料に対して創成した。そしてそれを油潤滑環境においてすべり試験し、油量とすべり速度によって潤滑効果は異なってくるものの、おしなべて比較的高い面積密度を有するテクスチャにおいて低い摩擦を示すことを明らかにできたためである。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は、当初の計画に沿って、2020年度に油潤滑環境下での摩擦特性評価により効果的と判断されたテクスチャ表面およびそれらよりも高い面積密度のテクスチャ表面を創成した後、油潤滑環境下でさらにすべり速度を変化させるなどして広範囲のすべり速度域において摩擦特性を評価し、提案手法により作成したテクスチャ表面の特性および有用性を明らかにしていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスによる自粛のため(1)学会がオンライン化されて旅費が使用されなかった。(2)一部実験補助にも支障が生じて大学院生への謝金の支払いとそれに付随する消耗品の購入を2021年度に繰り越すことになった。 それらに対する早期の処理を、検討・実施する予定である。
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