研究実績の概要 |
本研究では、高価な金型を使用した放電成形の高コスト化の課題解決に対し、安価な型である3Dプリンタ造形樹脂型を使用し、放電誘起水中衝撃波とマイクロバブルの干渉による高圧力を利用した、樹脂型利用マイクロバブル活用放電成形の研究開発を目指している。 本年度の研究成果として,樹脂型利用マイクロバブル活用放電成形の制御に必要となる (1) コンデンサ充電エネルギー変化による圧力変化を伴う放電誘起水中衝撃波の圧力負荷を受けたマイクロバブル付着金属板表面の表面粗さに与える影響の把握、および、(2) 3Dプリンタ造形樹脂型に設置した金属板底面のマイクロバブル群の付着有無での放電成形による塑性変形量の把握を行った。 (1) 放電誘起水中衝撃波を直径40μmのマイクロバブル群を付着させた金属板に干渉させた場合, 3次元形状測定機を用いた放電後の金属板底面の表面粗さ測定により,コンデンサ充電エネルギーが40, 160, 320 Jと増加させて水中衝撃波の推算圧力が55.8, 94.0, 122 MPaと増加するにつれて,この金属板の表面粗さの最大高さの減少量は0,1,2μmとなることが分かった。よって,放電成形を行う場合,マイクロバブル群付着の金属板表面の研磨が発生することが示唆された。(2) 3Dプリンタで造形した樹脂型に対して放電誘起の水中爆発成形を行う場合,マイクロバブル群を薄板の底面に付着させて成形を行った方が,樹脂型周囲の下方向への変形量を抑えて薄板を型に沿って塑性変形できることが明らかとなった。よって、これら研究成果により、金属板へのマイクロバブル群の付着は樹脂型利用放電成形での樹脂型に沿った金属板の塑性変形に有効であることが示唆された。
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