超音波を照射するとき,薬液と比較してNa2SO4電解酸化水及びNaCl電解酸化水の特性変化を実験検討により解明した.その結果,超音波を照射すると,電解酸化水中の溶存酸素濃度が高くなる.それは電解酸化水中に存在している酸素ナノバブルが超音波の振動によって溶液に溶解したためです.溶存酸素濃度が高くなると,金属表面に対するエッチング作用も粗化作用も強くなる. 続いて,超音波振動の併用により,無酸素銅材,ニッケル合金である45パーマロイ材の研磨面に対する表面改質処理について実験検討を行った.その結果,H2SO4溶液と比べ,Na2SO4電解酸化水により処理した加熱処理後の無酸素銅材の研磨面に突起物の発生がなく,平滑度が高い.また,45パーマロイ材の研磨面では,NaCl電解酸化水およびNa2SO4電解酸化水は薬液と比べ,粗化作用が強く,研磨面に対して均一に粗化できる. 本研究によって,超音波振動を併用して,電解酸化水は無酸素銅材,ニッケル合金の表面改質処理に応用できる結果を得た.
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