研究課題/領域番号 |
19K04135
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研究機関 | 富山高等専門学校 |
研究代表者 |
山本 久嗣 富山高等専門学校, その他部局等, 准教授 (80734409)
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研究分担者 |
西田 均 富山高等専門学校, その他部局等, 特命フェロー (00390435)
池田 愼治 公立小松大学, 生産システム科学部, 准教授 (50361126)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 磁気混合流体 / 磁気クラスタ / 精密研磨 / 高能率研磨 / 磁場・電場 |
研究実績の概要 |
本研究では難削材料のポケットの仕上げ加工において電場を印加でき,かつ,非導電性材料にも対応できる工具を開発して,その加工特性を調べることを目的とした. 工具は2個の軸方向に着磁したリング状永久磁石を同心円状に配置し,その隙間に非導電性材料を挟んだものである.2個のリング状永久磁石の加工面側の磁極は異極であり,工具に付着したMCF加工液には一方の永久磁石をプラス極とし,他方の永久磁石をマイナス極として電場を印加する.具体的な実験内容は,ステンレス鋼製の円形ポケットに対して,工具を公転運動させて,加工特性を明らかにした.加工特性では加工除去量とポケット底面,ポケット側面の表面粗さ,および,角部の表面状態を調べた. ポケット底面定点の加工除去量において磁場のみではn = 400 rpmで最大量を示した一方で電場印加(E = 250 V/mm)時にはn = 500 rpm付近で最大になる.すなわち,電場印加により加工除去量が増加し,最適な工具回転数は大きい方にシフトする.また,全ての回転数で電場印加時の方が加工除去量は大きくなることが明らかになった.全面研磨(ポケット底面+側面)では定点加工時の最大加工量を示す条件(磁場のみ n = 400 rpm,磁場電場 n = 500 rpm)で実施したところ60分ごとの研磨では加工除去量では電場印加による影響と効果が見られないものとなった.また,ポケット底面の表面粗さは磁場のみを印加した場合よりも電場を同時印加した方が向上した.そして実施した実験条件では,ポケット側壁と角部は研磨されないことがわかった。これは底面と側壁において,最適な隙間間隔とせん断速度が異なるためであると考えられるために,今後最適なワークを再度設計しポケットの底面と側面の同時研磨へのリトライを行う.
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