研究課題/領域番号 |
19K04138
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
山崎 渉 長岡技術科学大学, 工学研究科, 准教授 (50598696)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | Kriging応答曲面法 / 固有直交分解 / 高次元設計空間 / 数値流体力学 / ダリウス型風車 |
研究実績の概要 |
本研究では、高度な最適設計技術の開発と共に、その垂直軸型小型風車の形態設計への応用を目指している。最適設計技術としては、Kriging応答曲面法に基づく大域的な最適設計手法を整備・拡張すると共に、固有直交分解に基づく設計空間の低次元化手法を導入し、その有効性の検証を行った。提案した最適化手法を用いる事で、有望形状群の重要な形状表現因子を抽出する事ができ、かつそれを設計変数として利用することで、従来手法での最適化結果と大差のない結果を少ない設計変数・低い計算コストで得ることができた。 また、効率的な高次元設計空間での最適設計手法についても検討し、サポートベクターマシンなどの機械学習技術を導入した手法を提案し、その高次元設計空間での有効性を確認する事ができた。提案した手法は2次元超音速翼型の形態最適化問題へも適用し、その妥当性を確認する事ができた。 更に、ダリウス型風車の二次元数値流体解析において、そのブレード翼枚数を変化させて最適設計を行い、垂直軸型風車における翼間干渉効果の影響について調査を行った。加えて、ダリウス型風車の三次元数値流体解析を用いて、そのブレード翼端形態に関する最適設計も実施し、ブレード翼端での漏れ流れを適切に低減できる翼端板形態を設計することができた。得られた翼端板を付与した風車形態については実際に試作及び実験による性能評価も行い、その性能改善効果を実証する事ができた。 今後はこれらの開発技術を結び付けていく事により、工学的に有用な最適形態設計技術が構築できるものと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
最適設計技術については、設計空間の低次元化手法の実装や機械学習技術の導入まで実施しており、当初の想定通りに進展している。垂直軸型風車における具体的な検討においても、翼端板形態の最適設計を行い、その実験実証まで完了するなど、計画通りに研究は進展している。
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今後の研究の推進方策 |
開発した設計技術について整備・拡張を進め、現実的な垂直軸型風車の形態最適設計を実施し、その最適形態の流体物理メカニズムについて考察する。また、その最適形態の有効性については実験により実証していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験装置系の構築において想定よりも安価に整備ができたことや、旅費が予定程に必要とならなかったことなどがその主要因である。 今後の使用計画としては、実験装置系の計測効率化のための拡張等に利用していく予定である。また、今後の国際会議・学術論文における成果発表費用や研究補助者謝金等に充当する予定である。
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