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2019 年度 実施状況報告書

複合領域の最適化のためのロバスト設計法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K04142
研究機関香川大学

研究代表者

荒川 雅生  香川大学, 創造工学部, 教授 (20257207)

研究分担者 佛圓 哲朗  香川大学, 創造工学部, 教授 (00803967)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードロバスト設計 / 複合領域の最適化
研究実績の概要

複合領域の最適化のためのロバスト設計の応用に関して,基本となるロバスト設計方法として,最悪値の最適化という方法の確立を終えた.その結果として,区間変数の取り扱いが可能となった.これは,従来までのロバスト設計において,設計変数や設計パラメータの摂動幅を変数として扱うことが可能となったことである.
複合領域の最適化に当たっては,基本的には問題を多段階に分割する.その際に,各段階で手戻りが発生することが課題であった.提案する手法を用いることで,さらに,最悪値と,設計変数の幅を伝達することで,上位の意思決定者は必ずより良い結果が得られるので,下位の意思決定に満足するはずであり,また,多段最適化の課題であった設計変数の側面制約の設定も可能である.
この仮説の下で複合領域の最適化のベンチマーク問題を解いてみた.その結果,想定通り手戻りは発生せず,ロバスト設計から得られる側面制約の有効性が確認された.これは,従来の想定上での複合領域の最適化における問題の分割と統合において言われていた通りの結果であるものの,従来までは側面制約の設定を意思決定者の勘に頼っていたために手戻りを生じてしまっていたり,格段の意思決定者の我儘から手戻りを発生させていたところを数理的に示すことが可能であることを示しており,想定以上の効果があることが分かった.
5月に行われる国際会議にて発表を予定していたが,この会議は順延となった.更に知見を深めて論文として公表することを予定している.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ロバスト設計の課題は,問題が多目的最適化になってしまう点にあった.これを緩和変数を導入することでより意思決定しやすい定式化を提案し,その実用性の検討を終わらせることが出来た.この部分では順調に進展している.
複合領域の最適化における著名なベンチマーク問題であるゴリンスキーの変速機への適用を図った.最終的な大局解がわかっている場合でも,繰り返しは3,4回必要である.仮に大局解がわからない場合どの程度の繰り返しが必要かを探求してみた.問題の設定では,設計変数に側面制約を付してほしいと要求したが,理解されずに正確に実験を行うことが出来なかった.この部分は再実験が必要となった.
この問題に提案した手法を適用してみた.想定通り手戻りは発生せず,ロバスト設計から得られる側面制約の有効性が確認された.これは,従来の想定上での複合領域の最適化における問題の分割と統合において言われていた通りの結果であるものの,側面制約の設定を意思決定者の勘に頼っていたところを数理的に示すことが可能であることを示しており,想定以上の効果があることが分かった.
不足している部分をやり直し,論文として公表していきたい.

今後の研究の推進方策

最初に,提案する方法が有効であることをゴリンスキーの変速機を用いて,必要な情報をすべて集めて論文にしていきたい.
この結果を基に,実問題への適用を検討していきたい.

次年度使用額が生じた理由

初年度は総額で1,600,000円の配分のところ,1,440,267円利用させていただいております.これは,研究の最終盤に実用的な問題への適用を図るために,企業での実際の問題を取り扱わせていただきたく,方々に依頼に回ったために旅費がかさんでしまったことが遠因です.そのため,基本的に利用することとなったANSYSという市販のソフトウエアのリース期間を短縮しておりましたが,想定よりも早く協力してくださる企業が決まったために若干残ってしまいました.この分は次年度に回したいと思っております.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] ロバスト設計を用いた区間変数設計の提案2019

    • 著者名/発表者名
      荒川 雅生,宇根﨑 弘,平松繁喜,佛圓哲朗
    • 学会等名
      日本機械学会設計工学システム部門講演会

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公開日: 2021-01-27  

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