白色LEDパッケージングの最適設計を行うためには,設計パラメータと白色LEDの光学特性の関係を詳細に知ることが必要となるが,本研究では人工知能(機械学習)を用いてその関係をモデリングすることを目指した.白色LEDの光学特性は,主に青色発光素子の特性(出力,スペクトル等),蛍光体の特性,パッケージングの構造・特性によって決まることから,機械学習でその光学特性を予測するためには,それらの設計パラメータと光学特性の情報の組み合わせを学習データとして機械学習モデルに学習させる必要がある. 白色LEDの主な設計パラメータ(発光素子の放射束,蛍光体量)から光学特性(全光束,色度)を予測した.代表的な機械学習モデルである,Multi Layer Perceptron (MLP),Radial Basis Function Network (RBFN),Support Vector Regression(SVR),Random Forest (RF)と,線形回帰モデルの予測性能の比較を行ったところ,RFが最も予測性能が高く,他のモデルも概ね線形回帰モデルより高い性能を示した.また,蛍光体層の形状から全光束を予測する代理モデルを獲得することにも成功した. さらには,最新のモデルを含む数種類のConvolutional Neural Network (CNN)を用いて,白色LEDパッケージングの断面画像から白色LEDの明るさ(全光束)を予測した.白色LEDパッケージングの断面画像には,蛍光多量やレンズ形状などの白色LEDの明るさを決定する重要な設計情報が含まれる.これらの結果は,CNNが断面画像を学習する過程における特徴マップから,パッケージングの構造解析が可能であることを示している.加えて,青色発光素子の放射束の情報を用いて予測精度を改善することに成功した.
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