研究課題
基盤研究(C)
自動車に多く用いられているベルト無段変速機は,伝達面の摩擦係数を向上させることで性能を大きく向上できる.一般に伝達面を粗くすれば油膜が切れて摩擦係数は高まるが,接触面圧が高くなり損傷しやすくなる.本研究者は,これまで注目されていなかったスクイズ運動が大きく影響すると考え,粗さと摩擦係数,接触面圧の関係解明を目指した.独自の試験機を用いて摩擦係数を測定し,電気抵抗の測定により接触面圧の把握を行い,動力を伝達する方向に対し直角方向の溝を形成することで,摩擦係数が向上することが分かった.
機械要素
電気自動車はコストや航続距離など技術課題が大きく,内燃機関やハイブリッドは当分の間,生産されるため,変速機の性能向上への要求は依然として高い.多くの日本車が採用するベルト無段変速機は摩擦によって動力を伝達するため,摩擦係数を高めることにより小さな力で伝達することが可能となり,燃費性能を向上できる.本研究では,これまで注目されていなかったスクイズ現象に注目し,独自の摩擦試験機と測定方法によって伝達面の微細形状と摩擦の関係を調べ,性能を向上させる形状を見出した.