研究課題
長方形噴流は様々な機器に用いられているが、軸のスイッチング現象のために、噴流の断面形状は長軸と短軸が入れ替わり、三次元的に変形する。この原因は、ノズル角部から発生する渦糸の非一様曲率に伴う自己誘起速度の不均一性に起因する。本研究では、「テーパ短管を用いた受動的制御による方法」と「プラズマアクチュエータを用いた能動的制御による方法」で長方形ノズルの角部付近から発生する渦の強さを弱めて、下流域まで長方形噴流の形状が維持される高性能ノズルを開発する。今年度は、アスペクト比2の長方形ノズルの短辺、長辺、または四隅の内壁面に銅テープと誘電体であるカプトンフィルムから構成されるプラズマアクチュエータ(PA)を張り付けて、交流印加電圧10 kvp-p,周波数10 kHzでの連続駆動による長方形噴流の流れ構造に及ぼす影響をPIVにより調べた。その結果、(1)長方形ノズル短辺にPAを設置した場合,自由せん断層内に形成される大規模な渦がPAを設置していない場合よりも小さく、噴流の広がりも小さくなるが、噴流のポテンシャルコア長さはPAを設置していない場合とあまり変わらなかった.(2)長方形ノズル長辺・四隅にPAを設置した場合,自由せん断層内の大規模な渦の形成が抑制され、噴流の広がりは最も小さく、ポテンシャルコア長さも増加することを明らかにした。以上より、長方形ノズルにPAを設置することで噴流の自由せん断層の強さの調整が可能あり、三角形テーパ短管を設置した場合と同様に、長方形噴流の広がりを制御できることを明らかにした。なお、これらの研究結果は、日本機械学会論文集に掲載され、令和3年9月流れの可視化国際シンポジウム、12月流体工学シンポジウム、令和4年3月日本機械学会北陸信越支部総会講演会、令和4年3月噴流後流剥離の国際会議にて発表し、さらに今年9月の日本機械学会年次大会においても発表する。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件) 備考 (1件)
日本機械学会論文集
巻: 88 ページ: 1-16
10.1299/transjsme.21-00275
Proceedings of 7th International Conference on Jets, Wakes and Separated Flows
巻: 1 ページ: 1-9
http://www.ms.t.kanazawa-u.ac.jp/~fluid/