研究課題/領域番号 |
19K04170
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
田中 洋介 京都工芸繊維大学, 機械工学系, 准教授 (80509521)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 2波長位相回復ホログラフィ / 微生物観測 / 位相回復ホログラフィモジュール / 並列計算 / GPU |
研究実績の概要 |
微生物観測は前年度1.0 mm程度の体長を持つミジンコから本年度は体長が100 μmのゾウリムシを対象として光学系を変更して撮影が可能となった。当初の発表は当初6月のバンクーバーにてポスター発表だったが、新型コロナのため急遽オンライン発表となった。参加者・運営・発表者ともども不慣れな点が多く議論が思ったほど進まなかった。 3次元微粒子位置検出の高精度化を2波長逐次位相回復ホログラフィにより実施した。得られた結果から合成波長により従来に比べて標準偏差が小さくなることを確認できた。オンライン発表であったが、8月になりオンラインに慣れたため予想以上に議論が捗った。有用なアドバイスも得られたため、さらなる高精度化が期待できる。別の高精度化も合わせて模索しており、粒子像の結像度合いを測る指標を導入して合わせて発表を行った。得られた結果から波長位相回復ホログラフィだけでなく、従来法でも一定の効果を示すことが出来た。 相転移を伴う位相変化から温度場を位相回復ホログラフィで測定した。本年度は最初に温度差が1波長の位相回復ホログラフィでも測定可能な範囲で数値検証を行い2波長位相回復ホログラフィによる実施の前準備とした。GPU導入が奏功し、実用的な時間で温度場の再構成が可能であることを10月の国際会議で示せた。実験では、終端速度で落下する平均粒径が500 μmのドライアイス周りの温度分布を得ることが出来た。年度末3月の学会発表で報告し、今後の課題解決に繋がる議論が出来た。 2波長光源とカラーカメラを用いた位相回復ホログラフィモジュールを開発した。入手性の良い光源とカメラにより、実装時の問題点等の検証を10月の国際会議で報告することができた。企業からの問合せが増えており、実用化におけるさらなるシステムの検証が増えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度導入のArレーザーの運用が本格化した。微生物観測、粒子位置計測、温度場計測と着実に進捗があった。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は最終年度になるため、これまで得られた成果を積極的に論文公表する。また、学会での議論によりさらなる本手法の理解と応用分野を拡張する。あわせて新型コロナウイルス感染症による研究活動の制限は、研究室や実験室の感染防止策、実験の自動化、テレワーク環境の整備で本年度も対応していく。
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