動脈管ステント内挿術は、左心低形成症候群の患児に対し、低侵襲で行える姑息術として注目を集めている。肺動脈と大動脈を繋ぐ管である動脈管(PDA)にステントを挿入、開大させることで、肺動脈の過大血流を大動脈に迂回(血流リバランス)させる。患児への負担が従来に比べて小さい一方,ステント挿入による血栓リスクを生じるとの報告がある。そこで本研究では動脈管開大時の肺動脈流,大動脈流との相互干渉を数値流体力学解析/流体構造連成解析により明らかにした。その結果,肺動脈流は収縮期→拡張期において大動脈側へと移行することが確認された。また,動脈管形状が動脈管内の止水領域形成に大きく関与していることを明らかにした。
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