研究実績の概要 |
二つに分かれて研究を行った. 先ず,動的挙動分析方法として,動的モード分解(DMD, Dynamic Mode Decomposition),固有直交分解(POD, Proper Orthogonal Decomposition), 逆フーリエ変換を用いたモード分解の解法を開発した.さらに,それらの解法を組み合わせた動的モード分解を行い,シロッコファンで発生する空力騒音がボリュート形状による音響共鳴現象であることを明らかにした. 次は,変動流量計を開発した.粘性を無視したオイラー方程式を基に導いた非定常流に適する導出式2つを用いて変動流量を導出した.1つ目は時刻ごとに変動流量を導出する「時間領域の解法」と2つ目は変動流量の複素振幅を導出する「周波数領域の解法」である.実験装置は大まかに定常流発生部,変動流発生部,ベンチュリ管に分けられる.定常流発生部ではブロワより取り入れた空気を,空気タンクを通して直管部に流入させる.変動流発生部では回転数を制御したモータでピストンシリンダ機構を往復運動させ,任意の周波数(入力周波数)の変動を生成する.この際,ピストンの位置はレーザ変位計を用いて検出した.ベンチュリ管では差圧の測定と同時に熱線流速計を絞り部に設置し流速の測定を行った.その結果,非定常運動方程式を用いてベンチュリ菅の差圧から導いた変動流量が,熱線流速計で計測される流量とよく一致することを確認した.
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