高周波フラッピング噴流発生デバイスを主流マッハ数1.83の衝撃波/境界層干渉流れに適用し,壁面近傍の流速をシャドウグラフ流速計測法(Shadowgraph Image Velocimetry)で計測することで衝撃波の逆圧力勾配により生じた壁面近傍におけるはく離流れの状態をデバイスの作動状態を変えて評価した(本デバイスはデバイス内のキャビティ長さを変化させることでデバイス内の流量に独立でフラッピング周波数を変化させることができる).その結果,デバイスの流量が大きくなるほど,デバイスの周波数が高周波になるほど,はく離領域は小さくなり,干渉領域の速度回復の程度が大きくなることが明らかになった. これまでに開発した高周波フラッピング噴流発生デバイスをさらに発展させ,隣り合う二つの噴流が互いに逆位相でフラッピング運動するデバイスを提案した.すなわち,二つの流路にある共振室をスロットで接続したデバイスを開発したところ,これまでに実現できなかったフラッピング噴流の数十kHzでの同期に成功した.また,開発した新しいデバイスから発生した流れの状態をシュリーレン法により可視化したところ,弓形の特徴的な構造が数十kHzの高周波で発生することを確認し,これまでのデバイスでは作り得なかった新しい流体構造を作り出せることが明らかになった.すなわち,本デバイスは高周波駆動が必要な高速流れのはく離制御,超音速混合促進に適用可能なことが明らかになった.
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