本課題は共鳴音波による蒸発係数測定法を基盤として、非平衡状態に対応した測定法への拡張を目的とする。蒸発係数は分子気体力学の境界条件に含まれる未知パラメータであり、蒸発係数が正確に決定されることで熱交換器など工学分野への直接的な貢献や異常気象、環境問題に対する間接的な貢献が期待される。 これまでの実験手法において様々生じていた誤差を低減するために、実験装置の改良と同時に共鳴管内の音場の精密測定に取り組んだ。ただし測定方法が当初予定から変更になったこと、圧力センサの調達に時間を要したことなどから、研究の進捗が著しく遅れ、本課題の目的であった非平衡状態下における蒸発係数測定は達成できなかった。
|