本研究では,金属箔ベルト生成法を用いてTBABハイドレートを生成する実験を行い,TBABハイドレートの結晶成長について議論した.水溶液濃度40%では,タイプA水和物のみが出現し,生成速度1mm/min以下では結晶成長支配,それより高速になると核生成支配の凝固により連続生成が可能となることを生成過程の観察により明らかにした.一方,水溶液濃度10%では,主としてタイプBを含有する板状固相を連続的に取得できるものの,タイプAの存在も確認された.これは,タイプBの結晶成長速度が著しく低いため,ある程度の生成速度では水溶液濃度上昇を伴う氷結晶の発生が避けられないことに起因すると結論付けた.
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