水蒸気を出し入れする材料(デシカント,吸着剤)によるデシカント空調は,多くのメリットを有しているが,システムを展開するためには材料と機構両面からの知見が必要とされる.本研究で使用する有機系収着剤は,従来の吸着剤に比較して2倍以上の水蒸気を収着し,50℃以下の低温熱で水蒸気の脱着(再生)が可能であるなど優れた特徴を有している.本研究では,単位体積当たりの充填量が大きくなる収着剤粒子層に着目し,収着材粒子および収着剤粒子に水蒸気が出し入れできる金属被覆を施した複合粒子等の熱物質移動の把握をすることにより,収着粒子層を用いた除湿・加湿を行う新たな空調システムを構築するための基礎的知見を得ている.
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