研究課題/領域番号 |
19K04224
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
佐竹 信一 東京理科大学, 先進工学部電子システム工学科, 教授 (90286667)
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研究分担者 |
谷口 淳 東京理科大学, 先進工学部電子システム工学科, 教授 (40318225)
安藤 格士 東京理科大学, 先進工学部電子システム工学科, 准教授 (30385546)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 屈折率調整法 / ナノインプリント法 / 全反射蛍光顕微鏡 / 分子動力学法 / ナノステップ構造 / UV硬化樹脂 |
研究実績の概要 |
モスアイ構造上の液滴の蒸発過程において生じるナノ構造体周りの水の動きの3次元計測を目的とするが、ナノステップ周りの3次元化可視化にインデックスマッチング法を適用する。ステップ構造体の回折をなくすために構造体の屈折率を水とほぼ同じにするUV硬化樹脂を適用する。樹脂であるためそのナノ構造物をインプリント技術で作製することが可能である。また、分子動力学法によりステップ構造物上の水の動きの3次元シミュレーションを行った。これら数値計算と実験からナノ形状が拡散に及ぼす影響を調べた。ステップ近傍で拡散係数に両者定性的な一致を得ることができた。また、拡散係数の異方性があることを示した。数値計算からの値と実験の値を比較できるレベルまで可能にしたのは、実験において計測試料の作製にMYPLOYMERを用いたインデックマッチング材料を用いたことにより、ステップ近傍の光の回折を回避して計測できたことが大きい。また樹脂の成型の精度も重要であり、特に転写の際のガラス面と樹脂の残膜を最小限に抑えることができたことが計測の精度に寄与している。残膜が厚いとエバネッセント光の有効範囲を超えてしまうので、これを最小にするのが重要であった。このような技術を駆使した計測試料とナノ計測技術が融合した実験測定結果は、分子動力学シミュレーションで得られた知見と照らし合わせて定性的に一貫性がある。
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