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2021 年度 実施状況報告書

曲率を有し発熱を伴う接触面における熱解析ー転動体を対象とした微視的伝熱モデル構築

研究課題

研究課題/領域番号 19K04225
研究機関豊田工業大学

研究代表者

武野 計二  豊田工業大学, 工学部, 教授 (70705201)

研究分担者 古谷 克司  豊田工業大学, 工学部, 教授 (00238685)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード接触熱抵抗 / 低圧雰囲気の伝熱 / 転動体
研究実績の概要

弾性変形による発熱パターンの詳細を把握しその分配を明確にするため,平面と球面の接触部位を要素現象と捉え,詳細な温度計測と実験パラメータの関係に基づく伝熱モデルを構築し,また雰囲気圧力の影響を把握することを本研究提案の最終目的としている。初年度は上下の端面を一定温度に制御した球体-平面間の接触熱抵抗の大気中における静的実験により,球体や平板内部の温度分布を計測することで接触点を通過する熱流束と接触熱抵抗を求め,接触熱抵抗,熱伝導度,および接触面積の関係を記述できる伝熱モデルの構築とシミュレーションによる検証を実施した。引き続き2年目は,上記データの拡充,および外部から接触加重(面圧)を変化できる真空チャンバーを作製し,雰囲気気体としてN2またはHeの圧力を100Paから100000Paまで変化させ,また面圧を変化させたデータを取得した。
そして3年目は,分子運動論に則ったシミュレーションを構築し,雰囲気圧力が大きく変化する場合における気体分子が運ぶ熱エネルギーが計算可能なプログラムの構築および計算を行い,実験と併せて以下の結果が得られた。(1)N2分子のFe面での反射を拡散反射を仮定して計算を行ったところ,雰囲気圧力と熱抵抗の実験で得られた関係を定性的に再現することができた。(2)金属表面の粗さを平均面間距離を一定としてマクロ的に変化させたところ,面間の熱流束は表面粗さの形状に依存することがわかった。(3)分子が壁面に衝突する際のエネルギーや運動量の受け渡し比率を表す適応係数は気体や金属の種類で異なるが,その適用係数を変化させると同じ形状の面でも熱抵抗が異なり,実験によるフィッティングが可能。これらは,これまで殆ど報告されたことが無い貴重なデータであり,初年度から3年目までの研究は目標をほぼ達成することができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2~3年目は,外部から接触加重(面圧)を変化できる真空チャンバーを作製し,雰囲気気体としてN2またはHeの圧力を100Paから100000Paまで変化させ,また面圧を変化させたデータを取得し,また分子運動論に則ったシミュレーションを構築した。
但し,コロナ禍のために予定していた研究時間が削減され,実験のパラメータ変化(金属の種類,気体の種類,表面粗さ,圧力)によるデータ取得に積み残しが生じた。また国内外の学会出席ができず,そのために予定していた予算は未消化になっているため,1年間の期間延長を申し出ている。

今後の研究の推進方策

まず気体分子をN2,金属をFeとして,表面粗さを規則正しい形状に固定し,雰囲気圧力変化,および面圧変化時の接触熱抵抗のデータを取得する。シミュレーションでは,気体と金属の適応係数を文献値を参考に設定し,実験結果との比較を行う。同様の実験を,表面粗さを変化させて実施し,実験データとシミュレーションの比較を行う。この作業により,熱抵抗に対する表面形状と面間距離(面圧変化)の影響を明らかにできる。
次に気体分子のみHeとして,同様の実験およびシミュレーションを行う。HeはN2と適応係数が大きく異なるので,適応係数の影響を明らかにできる。その後,金属面をCuとした実験を行いシミュレーションと比較することで,全てのパラメータの影響が明らかにできる。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍のために予定していた研究時間が削減され,実験のパラメータ変化(金属の種類,気体の種類,表面粗さ,圧力)によるデータ取得に積み残しが生じた。また国内外の学会出席ができず,そのために予定していた予算は未消化になっているため,期間延長を申し出た。
使用計画は,積み残しの実験データ取得とシミュレーションによるモデル化と考察である。気体分子をN2,金属をFeとして,表面粗さを規則正しい形状に固定し,雰囲気圧力変化,および面圧変化時の接触熱抵抗のデータを取得する。同様の実験を,表面粗さを変化させて実施し,実験データとシミュレーションの比較を行う。この作業により,表面形状と面間距離(面圧変化)の影響が明らかにできる。次に気体分子のみHeとして,同様の実験およびシミュレーションを行う。HeはN2と適応係数が大きく異なるので,適応係数の影響が明らかにできる。その後,金属面をCuとした実験を行い,実験結果をシミュレーションと比較することで,全てのパラメータの影響が明らかにできる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 高粘性液体の噴霧におけるノズル内キャビテーションと微粒化効果2021

    • 著者名/発表者名
      武野計二、 武山周介、 川ノ上弘規
    • 学会等名
      日本機械学会 2021年度年次大会
  • [学会発表] 高圧水素噴流火炎の保炎特性へ衝撃波構造が及ぼす影響2021

    • 著者名/発表者名
      木戸ひかる、 武田大樹、 武野計二
    • 学会等名
      日本機械学会 2021年度年次大会
  • [学会発表] 静電探針法を用いた高圧水素噴流火炎の保炎機構の検討2021

    • 著者名/発表者名
      木戸ひかる、 武田大樹、 武野計二
    • 学会等名
      第59回燃焼シンポジウム

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公開日: 2022-12-28  

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