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2020 年度 実施状況報告書

相転移温度近傍における電気/磁気双極子秩序の同時制御による新奇冷却素子の創製

研究課題

研究課題/領域番号 19K04229
研究機関兵庫県立工業技術センター

研究代表者

泉 宏和  兵庫県立工業技術センター, その他部局等, 上席研究員 (70470226)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード薄膜 / エピタキシャル歪 / 応力
研究実績の概要

微小領域における高精度な温度制御に必要な、駆動部を持たず小型化が可能な冷却技術として、制御の容易な電場を用いる電気熱量効果を利用する冷却技術が注目されている。その作業物質には、電場によって電気双極子の秩序が大きく変化する強誘電―常誘電相転移温度を動作温度付近に有する強誘電体が有力な候補となっている。一方、電気と磁気との間に電気磁気効果とよばれる交差相関が見られ、印加した電場によって分極だけでなく磁気スピンも制御することが可能とされる「マルチフェロイクス物質」を作業物質に用いることができれば、分極と磁気スピンの両方のエントロピー変化を同時に利用することで、より効率のよい冷却システムの構築が期待できる。本研究では、高電場印加の可能な電気絶縁性に優れた高品質薄膜作製プロセスを確立し、マルチフェロイクス物質の相転移温度近傍における分極と磁気スピンの相関について明らかにすることで、新奇冷却素子の創製についての知見を得ることを目的としている。
今年度は、格子定数の異なる単結晶基板上に、エピタキシャル歪を利用して応力印加を行った薄膜を作製し、その電気特性の評価について取り組んだ。その結果、圧縮および引張応力の大きな試料で圧電応答が大きくなることが明らかになった。
2021年度は、当初の計画で2020年度に実施を予定していた応力印加や元素置換により転移温度を制御した薄膜についての相転移温度近傍における特性評価を行い、その後、2021年度に実施を予定していたドメインの形態を制御した薄膜の作製、および分極と磁気スピンの秩序の相関の評価を行う計画である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

二度にわたる緊急事態宣言の発出に伴う出勤抑制などにより、当初の本研究のエフォートである30%を確保することが困難となり、今年度に計画していた内容を十分に進めることができなかった。

今後の研究の推進方策

当初の計画で2020年度の実施する予定だった、エピタキシャル歪により応力を印加した薄膜および元素置換を行った薄膜試料について、転移温度近傍における特性の評価に取り組むとともに、2021年度に実施する予定のドメインの形態を制御した薄膜の作製、および分極と磁気スピンの秩序の相関の評価に取り組む。

次年度使用額が生じた理由

当初、参加を計画していた学術講演会等がオンライン開催となり、使用を予定していた旅費の執行が行えなかった。次年度においても、学術講演会等がオンライン開催となり、旅費が執行できない可能性が高いが、研究に必要な消耗品類の購入に使用する。

研究成果

(1件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] BiFeO3エピタキシャル薄膜の圧電特性における応力の効果2021

    • 著者名/発表者名
      泉宏和、吉村武、藤村紀文
    • 学会等名
      日本セラミックス協会2021年年会

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公開日: 2021-12-27  

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