| 研究課題/領域番号 |
19K04252
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| 研究機関 | 秋田大学 |
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研究代表者 |
長縄 明大 秋田大学, 理工学研究科, 教授 (70271872)
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| 研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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| キーワード | 超音波モータ |
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| 研究実績の概要 |
令和元年度は，ベルクランク機構のプロトタイプにおける性能検証と，これをミニチュア化したステータを設計製作して変位拡大率の測定を行った．
令和2年度は，ミニチュア化したステータに対する基礎特性の測定と，ロータを回転させた際の速度およびトルク特性，またベルクランク機構の角度を直角から斜め方向へ変更した場合の有限要素解析を行った．まず，基礎特性として変位特性を測定した．測定は，圧電素子の伸長方向変位とベルクランク機構先端部の変位を計測し拡大率を求めた．その結果，伸長方向には0.166 um，ベルクランク機構先端部の変位は0.380 umであり，変位拡大率は2.28倍となった．令和元年度に行った有限要素解析の結果では，変位拡大率は2.56倍であったことから，概ね設計通りの結果を得ることができた．つぎに，ステータの周波数応答を測定した結果，1次共振周波数が21.4 kHz，2次共振周波数が28.8 kHzであったため，これを参考として駆動周波数を決定した．さらに，外径5 mmのベアリングをロータとして回転性能の実験では，駆動周波数が24.6 kHzのときに388 m/sの速度特性を得ることができ，先行研究のモータに比べると，高い性能を得ることができた．
一方，上記で検討しているベルクランク機構は，その角度が直角であるが，実際にはこの形状の機構を設置できない場合が想定されるため，ベルクランク機構の角度を変更した設計を行った．CADを用いた設計では，角度を直角から135 degに変更した場合について検討し，変位拡大率を求めた．その結果，拡大率は2.66倍であり，直角とした場合と同等の性能を得ることができた．
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和2年度は，ミニチュア化したベルクランク機構の基礎特性として変位拡大率や周波数応答の測定，またロータに対する回転特性を測定することにより本モータの性能を明らかにすることができた．さらに，ベルクランク機構の角度を変更したミニチュア化したステータにおいて，有限要素解析による変位拡大率の確認を行うことができた．今後は，ミニチュア化したステータのトルク特性や，角度を変更したベルクランク機構の製作を行い，性能検証をした後，ステータの構造などに改善点がある場合には，設計の見直しなどを行いながら性能向上を目指す予定である．
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| 今後の研究の推進方策 |
令和2年度までに，ベルクランク機構の角度を変更した場合のミニチュア超音波モータのステータの設計ならびに有限要素解析まで行うことができたため，令和3年度は実際にステータを製作し，実験的に変位拡大率や共振特性を測定し，またロータを回転させる実験装置の設計製作を行い，ミニチュア超音波モータの性能を検証する予定である．
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| 次年度使用額が生じた理由 |
令和2年度は，新型コロナウイルスの感染拡大の影響により出張できなかったため，計上していた旅費を使用することができなかった．次年度の経費においては，研究を遂行しながら実験に必要な物品を購入したり，論文掲載料等として使用する計画である．
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