研究成果は以下の通りである.まず,一昨年開発したゲート機構とダイヤフラムを用いた開閉機構を有する低コストのゲート機構式サーボ弁の改良として,内部に圧力制御系を搭載した圧力制御型の弁を開発するとともに,伸長型柔軟空気圧アクチュエータ(EFPA)を四面体の1辺に配置したリハビリテーション用の柔軟アクチュエータの姿勢制御に応用した. また福祉支援機器として,並列に配置した3本のEFPAの被覆チューブの蛇腹部を,蛇腹の数を変えて互いに拘束することで,らせん状のアクチュエータを構成し,巻付け動作による身体部位の保持が可能なアクチュエータを開発した.さらに,このアクチュエータの巻付き動作を利用して,建物に備え付けの梯子を自動で登るロボットの開発を行った。 また,昨年度開発した正四面体の3辺にEFPAを配置した四面体型柔軟アクチュエータを脚として用いた6脚移動ロボットを構成し,6方向の水平移動や時計回りと反時計回りの回転動作が可能なロボットを開発した.さらに移動動作だけでなく,ロボットの姿勢を傾斜させる機能を持たせることで,使用者がロボットに乗ることで,体幹の訓練が可能となる機器を開発した. また,水が残った環境下で使用する配管検査ロボットとして,EFPAの円筒面の一部の伸長を抑制することで,湾曲動作を行うアクチュエータを開発し,3本の湾曲アクチュエータを放射状に湾曲するように配置することで,異なる内径を有する管路内を保持しながら尺取虫のように進むことのできるロボットを試作した.さらに,アクチュエータの湾曲動作を利用した推進機構を開発し,動作確認を行った.
|