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2022 年度 実施状況報告書

研削におけるインプロセスダイナミクス制御は加工に新たな機能を提供できるか?

研究課題

研究課題/領域番号 19K04267
研究機関有明工業高等専門学校

研究代表者

柳原 聖  有明工業高等専門学校, 創造工学科, 教授 (90313113)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワード研削加工 / テレメトリー計測 / スマートホイール / インプロセス制御 / 速度制御 / フィードバック制御 / ダイナミックコントロール / 超砥粒ホイール
研究実績の概要

まずは前年度までの研究成果をもとに本年度は円筒研削盤を利用した実験装置の構築を図った.この円筒研削実験装置では,インプロセスでの砥石軸(工具軸),および工作物軸の可変速制御機能の実現を目指した.このインプロセス可変速制御システムの構築においては,もともと円筒研削盤に取り付けてあったモータのモータドライバの制御系に自作のマイコン制御ボードを介入させることで,最低限の改造により機能の実現を試みた.そして,種々の制御応答実験からシステムの機能が実現されたことが確認できた.
次に新たに加工中の砥石の負荷をできるかぎり加工点近傍から得てテレメトリーモニタリングするために,ひずみゲージとトランスミッターを内蔵したCBN超砥粒スマートホイールを開発した.開発したスマートホイールは,まずは基本的な研削性能にテレメトリーシステムが影響しないかどうかが調査され,影響がないことが確認された.その後加工中の砥石にかかる負荷をひずみゲージからのひずみ出力によりテレメトリーモニタリングできることが確認され,負荷のフィードバックによる動的な制御実現できる可能性が示された.
そこで,スマートホイールからテレメトリー送信されてくる負荷データをマイコンで判断し,あらかじめ設定したスレッショルドレベルを超えると工具速度(砥石周速)を変速させるという実験を試行した.
その結果,このような負荷モニタリングによる制御をしない場合には工作物表面の粗さが劣化するが,負荷に応じて工具-工作物間の相対速度をインプロセスで可変速度制御することで,そのような劣化を低減できることが明らかとなってきた.
このことから,砥石の切れ味低下(パフォーマンス劣化)を加工点近傍からセンシングし,そのセンサー情報を利用したフィードバックシステムを構築するという本研究の基本構想の一つが達成できた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究における主な課題は下記の3つである.
項目1.  低慣性モーメント超砥粒ホイール開発と,研削抵抗制御によるダイナミクスコントロール
項目2. 工作物表面構造の制御
項目3. 研削加工点における熱の制御による熱応力のコントロール.
このうち工具-工作物間インプロセス速度制御研削盤の開発とスマートホイールによるフィードバック速度インプロセス制御が達成できたことから,概ね項目2までの課題が達成できたと考えている.
項目3については本来本年度までで達成したかった項目であるが新型コロナの影響でまだ達成できていない.したがって当初予定よりは遅れてしまっている.

今後の研究の推進方策

研究課題の検討項目の一つとして挙げていた,研削加工点における熱の制御による熱応力のコントロール手法については,本来2022年度にて完了しておきたかった項目であるが,現状では着手できていない.この項目について本年は検討しながら本研究計画のとりまとめを行いたい.

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウィルスの影響によって国際会議参加をキャンセルしたこと,また研究計画に遅れが生じていることにより残が生じている.

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2022 その他

すべて 雑誌論文 (3件) 学会発表 (3件) 備考 (3件)

  • [雑誌論文] 工具ー工作物間速度インプロセス可変研削法の研究 ー工具速度制御とその効果ー2022

    • 著者名/発表者名
      磧駿太朗, 柳原 聖,篠崎烈
    • 雑誌名

      砥粒加工学会講演会 ABTEC2022

      巻: 1 ページ: 61-62

  • [雑誌論文] スマート超砥粒ホイールを利用した研削加工のインプロセス計測制御に関する研究 (ホイール負荷モニタリングとその制御に関して2022

    • 著者名/発表者名
      柳原聖
    • 雑誌名

      日本機械学会第14 回生産加工・工作機械部門講演会〔2022.10.7-8,金沢〕

      巻: 1 ページ: 1-4

  • [雑誌論文] 固定砥粒加工工具を用いた表面構造制御の研究 (小排気量エンジン搭載ピストンへの梨地面適用効果)2022

    • 著者名/発表者名
      横山昴, 柳原聖, 土屋健介, 明石剛二
    • 雑誌名

      第33 回内燃機関シンポジウム予稿集

      巻: 1 ページ: 8

  • [学会発表] 工具ー工作物間速度インプロセス可変研削法の研究 ー工具速度制御とその効果ー2022

    • 著者名/発表者名
      磧駿太朗, 柳原 聖,篠崎烈
    • 学会等名
      砥粒加工学会講演会 ABTEC2022
  • [学会発表] スマート超砥粒ホイールを利用した研削加工のインプロセス計測制御に関する研究 (ホイール負荷モニタリングとその制御に関して)2022

    • 著者名/発表者名
      柳原聖
    • 学会等名
      日本機械学会第14 回生産加工・工作機械部門講演会〔2022.10.7-8,金沢〕
  • [学会発表] 固定砥粒加工工具を用いた表面構造制御の研究 (小排気量エンジン搭載ピストンへの梨地面適用効果)2022

    • 著者名/発表者名
      横山昴, 柳原聖, 土屋健介, 明石剛二
    • 学会等名
      第33 回内燃機関シンポジウム予稿集
  • [備考] 砥粒加工学会学術講演会ABTEC2022にて磧君が研究発表しました.

    • URL

      http://mame.me.ariake-nct.ac.jp/yanlab/index.php/2022/08/31/abtec2022/

  • [備考] 第14回生産加工・工作機械部門講演会にて柳原が講演しました.

    • URL

      http://mame.me.ariake-nct.ac.jp/yanlab/index.php/2022/10/08/mmt14th/

  • [備考] 第33回内燃機関シンポジウムにて専攻科横山が研究発表しました.

    • URL

      http://mame.me.ariake-nct.ac.jp/yanlab/index.php/2022/11/21/33thicesymposium/

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公開日: 2023-12-25  

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