研究課題/領域番号 |
19K04286
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研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
研究代表者 |
錦野 将元 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 関西光科学研究所 光量子科学研究部, 研究統括(定常) (70370450)
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研究分担者 |
長谷川 登 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 関西光科学研究所 光量子科学研究部, 主幹研究員(定常) (50360409)
三上 勝大 近畿大学, 生物理工学部, 助教 (20722763)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | レーザー計測 / アブレーション / 固有振動 / 熱弾性波 |
研究実績の概要 |
整形外科インプラントである椎弓根スクリューを想定した六角ボルトを用い、ワッシャー型ロードセルを実験系に導入することで、締結トルクおよび軸力の同時計測可能な評価系の構築が完了した。この実験系を構築した結果、従来の椎弓根スクリューの設置強度評価に用いている埋入トルク-固有振動周波数の相関グラフで示される埋入トルクは、軸力を示していることを明らかにした。同時に、締結トルクおよび軸力からMotoshの式より摩擦係数を導出し、固有振動周波数との相関評価を開始した。詳細な解析については継続して実施中であるが、摩擦係数により従来のtanh関数の相関関係が変化する傾向を確認している。 一方で、マルチレーザー照射による評価系として、レーザー照射周波数を掃引可能なレーザー装置を導入することで振動強度の評価を実施した。共鳴周波数と同じレーザー照射周波数において、その振動強度が向上することを確認した。特筆すべき結果として、その振動は、従来の加振原理であったレーザーアブレーションによるプルーム (蒸散物) の噴出が生じないエネルギー密度以下となっても検出されており、同時にレーザーアブレーションに伴う音響および電磁波ノイズが生じないことから、高精度計測が達成できることを見出した。2020年度の成果として、従来と比べ4桁以上の計測精度、および2桁近くの低エネルギーレーザーパルスにより振動計測が達成できる可能性を明らかにしている。また、その振動強度の変化に基づく振動減衰比のパラメータ推定に着手した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、ロードセルを導入した軸力同時計測の実験系構築および評価を行った。また、マルチレーザー照射の評価に着手し、減衰比パラメータの推定について検討を開始したとともにレーザー照射周波数を掃引することによる、高精度化および低エネルギー化に関する成果を得た。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画にある有限要素法による簡易解析モデルの検討を開始する。既に解析用マシンの準備は完了しており、実験結果を説明可能なモデル条件を探究する。また、今年度の研究成果で見出したレーザー照射周波数を掃引する方式について、限界性能を評価し、より高精度化および低エネルギー化の可能性を見極める。
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