研究課題/領域番号 |
19K04294
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
佐々木 大輔 香川大学, 創造工学部, 准教授 (50372686)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ウェアラブルロボット / ソフトアクチュエータ / 軽労化 |
研究実績の概要 |
動作矯正が可能な装着型装置を実現するための要素技術として,空気圧ゴム人工筋で駆動する可変摩擦ダンパーを開発し,その原理確認を行った.開発した摩擦ダンパーは,McKibben 型空気圧ゴム人工筋により摩擦トルクを発生させる摩擦機構,摩擦トルクをベルト引出しの抵抗力に変換するベルト引出機構,ベルトを巻き取るための復元力を発生させるプルバック機構の3 種類の機構から構成される.これらの機構により,内部のボビンに巻き取られたナイロンベルトの引出力が調整可能となる.本装置の寸法は70×50×50[mm],重量は70[g] であり,ナイロンベルトの最大引出量は150[mm] である.開発した摩擦ダンパーは,物体間の摩擦力を空気圧ゴム人工筋により調節する簡便な構造のため,小型・軽量ながら自重に対して大きな引出力を発生可能である.また,McKibben 型空気圧ゴム人工筋の供給圧力を変えることで引出力の調整が可能であり,小型ON-OFF 弁を使った簡便な駆動機構を用いる場合でも人工筋それぞれ弁を取り付けることで段階的な引出力の調整が可能である.可変摩擦ダンパーを力センサに固定,ナイロンベルトに重りを取り付け,重りを自由落下させる途中で引出力を発生させることでダンパーの応答性を検証した.この実験より引出力の応答は,圧力応答に強く依存することが実験結果から確認されたことから,用等に応じた空圧機器の選定が重要と言える.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究で最も重要な要素技術である可変摩擦ダンパーを,改善点は見られるものの良好な性能を有し実現できているため.
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今後の研究の推進方策 |
可変摩擦ダンパーを使用する上で,プルバック機構の摺動抵抗が大きいことが前年度の研究で明らかとなっている.その点に関して歯車機構の導入などの改善が必要であることから,本年度はその点に関する研究開発を行うと共に装着実験に向けた装置の開発を行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は,装置の開発に主眼を置いており次年度に計測装置等を購入することとしたため.
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