本年度は下肢動作の直接的教示を目的に,足首に装着し底背屈動作の動作への干渉が可能な装着型装置を開発した.この装置は装置両側面に任意のタイミングで高剛性化が可能な可変剛性フレームを配置することで,本装置の対象とする底背屈方向へはアクチュエータの動力を伝達可能であり,足首内外反方向へは装置装着時の拘束感を低減可能である. また,これまでに開発した摩擦ダンパ機構を最適化し,人工筋の全長を維持する調節機構として用いることで人工筋の角度依存性を軽減する機構を考案した.考案した機構は,ベローズに加える圧縮空気の給排気により摩擦部材を動作させることでワイヤの引き出し力の調節が可能である.この機構をMcKibben型空気圧ゴム人工筋と直列に接続することで,人工筋被駆動時には摩擦ダンパも被駆動状態としワイヤが引き出されることで機構の全長が少ない抵抗力で増加する.反対に人工筋駆動時においては,摩擦ダンパを駆動しワイヤの引き出しを抑制することで,人工筋の発生力を装置に伝達可能となる. 考案した本機構を使用する事で,McKibben型空気圧ゴム人工筋の技術的課題であった発生力の変位依存性を軽減することで可動範囲の拡大が可能となるため,広い可動範囲での底背屈動作の制限と緩和の切り替えが可能な構造を実現できた. 開発した装置のトルク評価実験により,想定したように考案した機構を実装することで装置発生トルクの角度依存性の軽減が可能であることを確認した.また,可変剛性フレームにより装着時における内外反動作の拘束感緩和も確認できた.
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