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2021 年度 実施状況報告書

ゲルとワイヤ駆動機構により超多関節構造を実現する軽量柔軟ロボットハンドの開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K04297
研究機関滋賀県立大学

研究代表者

山野 光裕  滋賀県立大学, 工学部, 准教授 (70323178)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードロボットハンド / ソフトロボティクス / 形状記憶ゲル / ワイヤ駆動 / 腱駆動 / 多指ハンド / ゲルロボット
研究実績の概要

本研究全体の計画では,形状記憶ゲルとワイヤ駆動機構を組み合わせ,軽量で多関節を持つ多指ロボットハンドおよびその制御方法を実現することを目指している.形状記憶ゲルは,温度により硬軟の切り替えができる性質を持つゲルであり,より詳しい説明は初年度の実施状況報告書に記載している.
本年度は,1個のモータで多関節を駆動できるロボット指の開発を進めた.この指は,形状記憶ゲルの硬軟切替とワイヤ駆動機構を組み合わせることで,指定した1関節または複数の関節だけを回転させる.例えば,指定した1関節の形状記憶ゲルを軟化させてモータを回転させるとその関節だけが回転し,全関節の形状記憶ゲルを軟化させると全関節が同じ方向に回転して物体に巻き付くような動きになる.また,異なる関節の軟化,硬化を逐次的に行うことで,2関節を逆方向に曲げる動きなども可能である.各関節を正負の方向に回転させるために,2本のワイヤを使用するが,骨格構造の追加やワイヤ経路の適切な設計により,一方のワイヤの巻き取りと他方のワイヤの送り出しを1個のモータで実現している.この原理を用いた7関節のロボット指を試作し,実験により動作原理の有効性を確認した.このロボット指を3本用いたロボットハンドも試作し,多指ロボットハンドの指として利用可能であることも確かめた.
昨年度までに開発した3次元空間内で動くロボット指についても,ユニバーサルジョイントを用いた骨格構造を追加した改良型の機構を考案し,基礎的な試作と実験を行った.このロボット指の全機能の動作確認はまだ行えていないが,考案した内容の部分的な有効性は確認することができた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ロボットハンドの機構の開発については大きく進展した.一方で,ロボットハンドの制御については関節の基礎的な動作の確認にとどまっている.部分によって進展のばらつきが大きいが,研究全体としてはおおむね順調に進展している.

今後の研究の推進方策

今後は,機構の改良を進めるととともに,様々な対象物の把持実験を行いながら,ロボットハンドの制御方法や動作計画に特に注力して,研究を進める.

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウィルスの影響により,前年度に続いて本年度も,発表した国際会議がオンライン開催となり,旅費を使用しなかっため,支出が大きく減少した.また,物品費についても本年度は金額の大きな物品を購入しない部分の研究が主に進展したため,支出が少なかった.残額は,次年度,実験装置の拡充に充てるほか,対面の学会に参加する際の旅費にも充てる予定である.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Development and motion analysis of a light and many-joint robot finger using shape memory gel and tendon-driven mechanism with arc route2022

    • 著者名/発表者名
      Mitsuhiro Yamano; Naoya Hanabata; Akira Okamoto; Toshihiko Yasuda; Yasutaka Nishioka; M.D. Nahin Islam Shiblee; Kazunari Yoshida; Hidemitsu Furukawa; Riichiro Tadakuma
    • 雑誌名

      International Journal of Mechatronics and Automation (a revised and expanded version of 2021 IEEE ICMA Proceedings paper)

      巻: Vol.9, No.2 ページ: 99 - 111

    • DOI

      10.1504/IJMA.2022.122325

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A Robot Finger with Many Joints Driven by One Motor Using Shape Memory Gel and Tendon-Driven Mechanism2021

    • 著者名/発表者名
      Mitsuhiro Yamano, Naoya Hanabata, Akira Okamoto, Toshihiko Yasuda, Yasutaka Nishioka, MD Nahin Islam Shiblee, Kazunari Yoshida, Hidemitsu Furukawa, Riichiro Tadakuma
    • 雑誌名

      Proceedings of 2021 IEEE International Conference on Mechatronics and Automation (ICMA)

      巻: - ページ: 1472-1477

    • DOI

      10.1109/ICMA52036.2021.9512604

    • 査読あり
  • [学会発表] 形状記憶ゲルとユニバーサルジョイント骨格を用いた腱駆動型ロボット指の開発2022

    • 著者名/発表者名
      岡本曜,柴田大雅,山野光裕,安田寿彦,西岡靖貴,シブリ エムディ ナヒン イスラム,吉田一也, 古川英光,多田隈理一郎
    • 学会等名
      2021年度 計測自動制御学会関西支部・システム制御情報学会シンポジウム

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公開日: 2022-12-28  

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