研究課題/領域番号 |
19K04305
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
衣川 潤 東北大学, 工学研究科, 助教 (90612523)
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研究分担者 |
若林 勇太 舞鶴工業高等専門学校, その他部局等, 講師 (00826935)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ロボティクス / 人間機械システム / 動作理解 / 動作予測 / 作業支援 / 人間工学 |
研究実績の概要 |
本研究課題は,ロボットと人間の協働においてロボットの動作が作業効率や作業者へ与える影響について調査することで,ロボットと人の適切な協調メカニズムの解明とその結果に基づく作業支援システムの動作計画手法を確立することを目指し,ロボットとの協働時における作業者の情報処理能力の定量化を行い,その結果に基づきロボットが人に適切に働きかけることで,人間の能力を最大限に引き出し作業効率の向上,作業ミスの未然防止を行うシステム構築することを目的としている.本年度は,作業者の動作予測アルゴリズムのための作業者の動作計測・認識システムの精度向上と情報処理能力推定アルゴリズムの開発に向けた基礎実験を行い,情報提示手法の検討を行った.本年度の成果は次のとおりである.
1.作業者の動作計測・認識システムの精度向上:昨年度までに基礎技術が完成したことから,これまでの実験条件を見直し,より実際の状況に近い実験環境である部品配置が密な状況においても作業者の動作認識が正しく行えるように認識精度を向上させた. 2.情報処理能力推定アルゴリズムの開発に向けた基礎実験:昨年度までに実施した作業者に提示する情報量や提示タイミングについての調査に基づき,本年度は,情報処理負荷の高い作業を設定した実験を実施し,作業ミスの発生状況を調査した.また,これによってキッティング作業における適切な情報提示手法および作業者の情報処理能力に関する知見を得た.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は,新型コロナウイルス感染症対策のため,十分な実験を行うことができなかった.そのような状況下においても,これまでに得られたデータから,実際の作業現場を想定した状況において十分な精度で作業者の動作を認識できる手法の研究開発と情報処理能力推定アルゴリズムの開発に向けた基礎実験を行い,キッティング作業における情報処理能力を調査した.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,作業支援アルゴリズムの開発を実施し,適宜評価実験と改良を行う.また,これまでに研究開発してきた要素を一つのシステムに統合する.
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症対策のため,これまでに得られたデータを用いた研究開発が主となり,実験装置を製作できなかったことや出張制限により旅費が不要となったことが理由である.今年度に行えなかった研究項目を実施するために次年度に使用する計画である.
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