本研究課題は,ロボットと人間の協働作業において人間の近くで稼働するロボットの動作が作業効率や作業者へ与える影響について調査することで,ロボットと人間の適切な協調メカニズムの解明とその結果に基づく作業支援システムの動作計画手法を確立することを目指し,ロボットとの協働時における作業者の情報処理能力の定量化を行い,その結果に基づきロボットが人に適切に働きかけることで,人間の能力を最大限に引き出し作業効率の向上,作業ミスの未然防止を行うシステム構築することを目的としている.本年度は,情報処理能力推定アルゴリズムの開発および作業支援アルゴリズム構築のための基礎的検討を行った.本年度の成果は次のとおりである.
1.情報処理能力推定アルゴリズムの開発:情報処理能力推定アルゴリズムの開発を行うための基礎的検討として,キッティング作業時の情報処理モデルの構築を目的としたシステムを構築し,作業中の作業者に対してメトロノーム音を流し,そのリズムやトーンを変化させたときの作業への影響を調査した.また,作業者個人の作業リズムを抽出し,適切なリズムやトーンを調整するための検討を行った. 2.作業支援アルゴリズム構築のための基礎的検討:昨年度までに得られた知見を基に,システムから作業者へと提示する情報と提示するタイミングを設定するシステムを構築し,キッティング作業実験を行い,作業への影響を調査した.また,システムから作業者への積極的な働きかけを行うためのシステムを検討した.
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