本研究は、等身大人間型ロボットで扱えていなかった大きくて柔らかいものを傷つけずに扱えるように、衝撃吸収機能を持つ多数のソフトセンサモジュールが配置されたソフトセンサスーツを、ロボットが着ることによるソフトロボットの構築法について行う。ロボット本体の柔らかさを扱うため、センサからの情報と従来ロボットが用いることのできるセンサ情報を統合し、シミュレーションと実機動作の繰り返しによって、近似的に動作が可能な動作軌道を作成し、また、扱う対象も柔らかいため、ソフトセンサスーツから得られる画像様の接触センサ情報時系列を入力として学習手法を用いることで、柔軟で変形する大型の物を含む様々な対象を学習的に適応し扱うことのできる全身を用いた環境接触の構成法を構築する。その上で、扱う対象に適した柔らかさ、センサの数などのソフトロボットとしての必要な特性を導出することで、統合的な「柔らかいロボットが柔らかい対象を扱う」手法の構築を目指す研究である。 全体の研究は、1.ソフトセンサスーツの構成、2.ソフトセンサスーツを用いた全身環境接触動作、の順に研究を進め、3.ソフトセンサスーツを用いた環境接触、について行う。現在までに、ソフトセンサスーツの構成と構成したソフトセンサスーツを用いた全身環境接触動作として転倒実験を行っている。ソフトセンサスーツの構成に関しては、インフレータブル構造とセンサモジュールを併用することで、内部のロボットの剛構造の外部への露出を抑える構造をとれること確認できた。これによって、やわからな身体を持つロボットが構成できている。シミュレーションにより柔軟構造におおわれたロボットの動作シミュレーションにより、実機ロボットとシミュレーションの動作の違いについて計測を行い、シミュレーションの有効性を確認できた。
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