無線電力伝送システムの設計において,コイルや電極を回路モデルで表すことは広く行われていた.しかしながら,ごく単純な場合を除いて,回路モデルの素子定数を特定するための理論式の導出は困難であり,素子定数を特定するには,測定データに基づくフィッティングが必要であった.したがって,回路モデルの理論的根拠や適用可能範囲は不明確であった.本研究で拡張された手法は回路モデルの明確な理論的根拠を与えるとともに,その素子定数を容易に特定することができる.このことは,コイルと電力変換回路の一体的設計を可能にし得るなどの工学的意義を持つ.
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