研究課題/領域番号 |
19K04325
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
高野 浩貴 岐阜大学, 工学部, 准教授 (50435426)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ディマンドリスポンス / エネルギーマネジメント / 最適化 / インセンティブ / 電気料金 / 電力取引 / スマートグリッド |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,中立性を重視して電力料金,リベート,卸市場価格の基準を算定する理論・手法を構築し,消費者参加型電力システムの基盤の確立へと繋げることにある。2019年度は,電力供給者余剰,消費者余剰を実データを元に想定し,これを元に社会モデルを構築した。また,中立性を重視したインセンティブ型DRの基礎設計手法を構築した。さらに,2020年度実施予定の電力料金ベースのディマンドリスポンスに展開する方策についても検討を開始し,ある程度の見通しを立てるまでに至った。 これらの成果は,学術雑誌"Future Internet","Energy Reports"にそれぞれ1件ずつ掲載された他,書籍"Frontier Applications of Nature Inspired Computation"にも1件掲載されている。また,"6th International Conference on Power and Energy Systems Engineering (CPESE 2019)"(Okinawa, Japan),"The 3rd International Workshop on Power Engineering in Remote Islands (IWPI 2019)"(Kaohsiung, Taiwan)にて,それぞれ1件ずつ研究発表を行った。さらに,"システム/スマートファシリティ合同研究会","電気学会 電力・エネルギー部門大会","電力技術/電力系統技術合同研究会","電力技術/電力系統技術/半導体電力変換合同研究会"にてそれぞれ1件ずつ,"電気学会 全国大会"で2件の研究発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2019年度は(1)余剰分配の公平さまでを担保し得る社会的余剰最大化問題の在り方の検討,社会的余剰最大化に代わり得る概念の存在の調査,(2)電力供給者余剰,消費者余剰の想定,これを元にした社会モデルの構築,(3)中立性を重視したインセンティブ型 DR の基礎設計手法の構築を予定していた。これら三つは予定通りに進行しており,各ステップで得られた研究成果も公表している。さらに,2020年度実施予定の(4)電力料金ベースのディマンドリスポンスに展開する方策の検討,(5)電気料金型 DR の基礎設計手法の構築に着手しており,おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度は,主として電気料金型 DR の基礎設計手法の構築を予定していたが,前述の通り,この一部には既に着手しており一定の成果も得ている。これまでの検討において,消費電力などのデータが,社会モデル構築時の基礎データになり得ることも確認している。これらをベースとして,ディマンドリスポンス実施時の実社会の反応(消費電力の変化など)も視野に入れ,Cyber Physical Systemへの対応についても検討したい。
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