研究実績の概要 |
本研究の目的は,中立性を重視して電力料金,リベート,卸市場価格の基準を算定する理論・手法を構築し,消費者参加型電力システムの基盤の確立へと繋げることにある。2019年度は,電力供給者余剰,消費者余剰を実データを元に想定し,これを元に社会モデルを構築した。また,インセンティブベースのディマンドリスポンスの基礎設計法を創案し,その有用性も検証した。2020年度は,これらを電力料金ベースのディマンドリスポンスに展開する方策を創案し,インセンティブ型,電気料金型の機能を両立させる方法についても検討した。本テーマに関して海外の研究者との協力体制も構築し,更なる展開に向けて議論をしている。 これらの成果は,学術雑誌"エネルギー資源学会論文誌"に2件掲載された。また,"The 33rd International Conference on Efficiency, Cost, Optimization, Simulation and Environmental Impact of Energy Systems (ECOS)"(Osaka, Japan)の招待講演にて,成果の一部を紹介した。さらに,"電子情報通信学会 第33回 回路とシステムワークショップ"にて1件,"電気学会 電力・エネルギー部門大会"にて2件,"電気学会 電力系統技術研究会"にて1件,"電気学会 新エネルギ-・環境研究会"にて1件の研究発表,"電気学会 全国大会"で2件の研究発表を行った。また,当該成果が関連分野において高く評価され,"電気学会 全国大会"のシンポジウム依頼講演でも紹介するに至った。現在も,関連成果の学術雑誌などへの投稿準備を進めている。
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