| 研究課題/領域番号 |
19K04328
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| 研究機関 | 広島大学 |
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研究代表者 |
造賀 芳文 広島大学, 工学研究科, 准教授 (40294532)
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| 研究分担者 |
川原 耕治 広島工業大学, 工学部, 教授 (80224822)
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| 研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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| キーワード | 停電作業 / 作業系統計画 / 太陽光発電 / 電力自由化 / 最過酷断面 |
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| 研究実績の概要 |
電力システムも日々の点検・整備が大変重要であるが，作業中は電力システムの信頼性が少し低い状態となるため予め作業計画を立てることが必須である。しかし，近年の太陽光発電の爆発的普及により作業当日の発電量が予測できない，電力自由化の進展で調整可能な電源が前日にならないと分からないという時代が到来している。よって，これまでの考え方を転換し，どのようなシステム状態をベースに，どのような方法で作業計画を策定すべきかを検討することが本研究の目的である。
本年度は，電力系統の通電停止をともなう作業を行うための「停電作業系統」計画について，太陽光発電などの自然変動電源の大量導入に対応する技術および現在検討が進められている電力市場に対応する技術を開発するため，まず今までの前提条件(想定する需給断面)を見直し，新たに定式化を試みた。また，一例として簡単な例題系統に適用し，その効果を確認しつつ研究を進めている。具体的には，
・検討断面の検討：自然変動電源の予測が活用できない中，どのような系統状態を検討断面とすべきか検討。
・問題の同定および定式化：その断面を導くための具体的な考え方や定式化などを提案し，簡単なケースで確認。
といった点に注力し，研究を行った。結果，検討すべき断面は最過酷な場合であるとの前提で，潮流が最も厳しくなる状態を導く「最悪化」ともいうべき定式化を提案し，簡単な系統でその効果を検討してきた。学会発表などを通じて，さらに考慮が必要な点なども明らかとなってきているおり引き続き研究を進める予定である。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的は，自然変動電源の出力が変動することや制御可能な電源が不確実であることを踏まえた上で，事前にどのような状況をベースに停電作業系統を策定すべきか，また具体的にどのような方法で実施すべきかを模索することであり，具体的な研究項目は以下の通り計画している。
(1)検討断面の検討：自然変動電源の予測が活用できない中，どのような系統状態を検討断面とすべきか検討。
(2)問題の同定および定式化：その断面を導くための具体的な考え方や定式化などを提案。
(3)シミュレーション実施・考察：提案する検討断面で実際にシミュレーションを実施し，結果を考察。
(4)(可能なら)計画の修正方法の検討：実施日が近づいてきてからの計画の修正方法についても検討。
本年度は，このうち(1)，(2)，(3)の一部まで実施した。まず(1)検討断面の検討については，研究分担者とともに実際に運用に携わる方のご意見も聞きながら考え方を整理し，検討を行った。結果，最初に再考すべきは電力潮流であろうという結論となった。そこで，(2)問題の同定・定式化では，再エネの予測が不可能で当日の電源構成が分からないなどを考慮し，最適化を逆転させた「最悪化」ともいうべき「潮流余裕量の最小化問題」として定式化し，その解を検討のベースとすべき過酷な系統状態と考えるという枠組みを提案した。また，その枠組みを確認するため，(3)シミュレーション実施・考察として簡単な例題系統を考え，検討断面の策定を試みた。よって，当初の3年計画として挙げている4つの項目のうち最初の2項目まで進んでいることから，概ね順調に進展していると評価している。
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| 今後の研究の推進方策 |
今後は，残りの(3)(4)に進む予定である。ただし，これまで研究成果を発表した学会において，潮流だけではなく電圧も考慮すべきであるというご指摘もあった。我々も確かに重要な問題であると認識しており，前の項目(1)(2)に戻って電圧も考慮していきたいと考えている。その後，潮流，電圧いずれについても残りの2項目：
(3)シミュレーション実施・考察：提案する検討断面で実際にシミュレーションを実施し，結果を考察。
(4)(可能なら)計画の修正方法の検討：実施日が近づいてきてからの計画の修正方法についても検討。
について検討を進めていく予定である。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の影響で，参加を予定していた電気学会全国大会が中止となって旅費支出がなくなったことによる影響がある。ただ，可能なものは前倒しで支出することができたが若干の誤差が出たことは否めない。比較的少額であるので，次年度以降の支出計画については，当初の予定から大きいな変更は必要ないと考える。
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