研究課題/領域番号 |
19K04329
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研究機関 | 放送大学 |
研究代表者 |
山下 敬彦 放送大学, 長崎学習センター, 特任教授 (50182499)
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研究分担者 |
古里 友宏 長崎大学, 工学研究科, 准教授 (70734002)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 汚損沿面放電 / 水溶液 / 接触面積 / 電流密度 / 抵抗率 / 二次電子放出係数 / 放電維持機構 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,少なくとも片方の電極が水溶液の場合の放電の維持・進展等の動的特性も記述できる放電モデルを提案し,実験によりモデルのの検証を行うことである。2021年度は,ハイスピードカメラによる放電の観測を実施し,2020年度に推定した放電の接触部分の面積との比較を行い,モデルの検証を行うことを目標としていたが,新型コロナ感染症の拡大により,実験実施の自粛を余儀なくされ,研究を完了することができなかった。そのため,補助事業期間延長を申請し,承認された。 なお,水溶液面での放電の観測において,新たな現象として水溶液面での放電から水中への衝撃波の伝搬が観測されたので,追加の実験を行い,論文にまとめて報告した。 また,実験を実施することが困難であったため.電流密度に関するシミュレーションを追加した。シミュレーションでは印加電圧から放電の等価接触半径を求め,水溶液部分の抵抗を計算した。放電の等価接触半径を求める際に,気圧の影響も考慮して計算を実行した。印加電圧から電極降下を引いた電圧と計算により求めた抵抗から電流を計算した。なお,電極降下については先行研究の結果を参考にして,気圧の影響を受けないとした。さらに,放電の等価接触半径から面積を求め,電流を面積で割って電流密度の計算値を得た。以上のシミュレーションをもとに,電流密度と気圧の関係について先行研究と比較した結果,傾向が比較的よく一致することが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナ感染症の影響により,実験の実施が制限されたため,研究の実施は遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は,2021年度に実施できなかったハイスピードカメラによる放電の観測を実施し,2020年度に推定した放電の接触部分の面積との比較を行い,モデルの検証を行う。また,得られた結果のまとめを行う。 今後の新型コロナ感染症の状況を予測できないので,状況に応じて適宜研究計画を修正・変更していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染症拡大のため,2021年度に予定していた実験を実施することができず,それに伴い,予定していた支出もできなかった。使用できなかった残額は2022年度に使用する予定である。
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