現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在までに製作した駆動回路および実験装置またパラメータ値の調整方法について下記に示す。 <駆動回路の作製>DDSとOp-Ampを用いることにより,正確で高レスポンスの波形を出力できる駆動回路を作製した。駆動回路は初段にDDSおよび2つの汎用オペアンプと終段のOp-Ampから構成される。この回路は周波数,電圧および位相差を高速に切替えることができる。DDS は周波数を32ビット,位相差を14ビット,電圧を10ビットの分解能で正弦波を出力することができる。このDDSから出力された正弦波は終段のOp-Ampで±180Vに増幅されて超音波モータのA相およびB相に電圧を供給することができる。 <実験装置の作製>実験装置は超音波モータ,負荷およびエンコーダから構成される。これらの装置を同一軸上に配置して,各軸をカップリングで接続している。超音波モータは回転子(ロータ)の直径が60mmの超音波モータを用いた。負荷はパウダクラッチを用いた。このパウダクラッチに供給する電流を調整することによって負荷の大きさを調整した。エンコーダは648,000P/Rの分解能を有しており,この信号を4逓倍することにより2,592,000P/Rの分解能を持つ位置検出器として使用した。角度の分解能としては0.0001388deg.となる。 <パラメータ値の調整方法>周波数と電圧を変化させて制御する方式については,計算された制御入力値の95%を周波数制御,残りの5%を電圧制御で行う。従来電圧制御は非線形性が強く制御が行えないと考えられていたが,共振周波数の数kHzほど高い周波数領域に制御できる領域があることが判った。この領域では電圧と回転子の移動距離が周波数制御と比較して安定しているため,周波数制御のみでは実現できないような高精度な位置決め制御が可能となった。
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