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2019 年度 実施状況報告書

インフラ設備用パワー半導体モジュールの遠隔異常監視機能の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K04343
研究機関九州工業大学

研究代表者

附田 正則  九州工業大学, 大学院生命体工学研究科, 特任准教授 (00579154)

研究分担者 渡邉 晃彦  九州工業大学, 大学院工学研究院, 准教授 (80363406)
長谷川 一徳  九州工業大学, 大学院生命体工学研究科, 准教授 (80712637)
大村 一郎  九州工業大学, 大学院生命体工学研究科, 教授 (10510670)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2021-03-31
キーワードパワーモジュール / 簡易モジュール / 電流センサー / パワーサイクル試験 / ダブルパルス試験
研究実績の概要

本研究は、現在行われている定期メンテナンスや部品交換が主流である予防保全に代わる手段として、僅かな異常から故障を予知し故障する前にパワー搬送体モジュールを交換する予知保全の手段を開発することが目的である。これにより風力発電機やメガソーラーの故障による長期停止を防ぐことが期待できる。
2019年度は、今後行うパワーモジュールの異常検知試験に向け簡易モジュールや電流センサの作製と異常検知試験を効率的に行う回路構成の机上検討を行った。簡易モジュールのセラミック基板のパターンは評価に適したパターンを設計し、製造はメーカーへ外注した。セラミック基板、チップ、アルミワイヤを学内の設備で実装し簡易モジュールを作製した。電流センサーは小型かつ低ノイズ化が求められることから、先行研究で開発したプリント基板によるロゴスキコイルを採用した。プリント基板であるため小型化が可能であり、先行研究で開発したフィッシュボーンパターンを用いてノイズを低減することも可能である。また本センサは空芯であるためパワー半導体の数百アンペアレベルの電流も測定することが可能である。異常検知試験用のシステムは机上検討により高速スイッチングと低速スイッチングの2系統の回路を組み合わせたシステム構成を考案した。これにより劣化を加速試験により発生させた上で電力変換器の波形を効率的に取得することが期待できる。
2020年度は異常検知用のシステムを作製し、簡易モジュールにより異常検知試験を行う。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2019年度は簡易モジュールと電流センサーを作製する計画であった。また2019年度から2020年度にかけては簡易モジュールと電流センサーを用いた異常検知試験を行う予定であった。
簡易モジュールの構成部品であるセラミック基板は学内で設計し外注により作製し、このセラミック基板上にチップ、アルミワイヤを実装し簡易モジュールを作製した。電流センサーの配線パターンと外形も学内で設計し、製造を外注したプリント基板メーカーから納品された。異常検知試験は評価システムの構成が決まり、これからシステムの作製と試験を行う。
簡易モジュールの作製、電流センサーの作製、そして異常検知試験システムの机上検討が終わり予定取りに進んでいるので、おおむね順調に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

2020年度は研究計画に従い異常検知試験を行う。これに向けて机上検討した高速スイッチングと低速スイッチングを組み合わせたシステムを構成し、試験により異常検知が可能か確認する。
低速スイッチングは加速試験に用い、大電流が長時間印加されることにより劣化が大きく進む。ただし低速スイッチング試験では通常のインバータ動作よりもはるかに遅い動作になるので、インバータ動作中の波形を再現することが難しい。そのため高速スイッチングを用いてインバータ動作を模擬し、動作中の波形から異常検知が可能かを確認する。劣化途中の変化が少なく異常検知が難しい場合は、AIや自動学習などの情報処理技術の導入も検討する。計画ではパワーモジュールを作製して検証に用いることも考えていたが、簡易モジュールはパワーモジュールと基本構成が同じであるため本研究では継続して簡易モジュールで評価を行う予定である。
2021年度は異常判断の基準作成に進む予定である。

次年度使用額が生じた理由

昨年度は簡易モジュール用の作製部品や電流センサーの作製を行った。これらの作製には内部予算を用い測定に使用するケーブルや端子の購入を本予算で行った。そのため昨年度予定していた金額を下回り次年度使用額が生じた。今年度はこの次年度使用額と今年度の請求額を合わせて異常検知試験の回路システムを作製する。

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公開日: 2021-01-27  

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