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2020 年度 実施状況報告書

電気機器の時空間電磁界現象を忠実に模擬した高速高精度設計最適化手法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K04357
研究機関法政大学

研究代表者

岡本 吉史  法政大学, 理工学部, 教授 (40415112)

研究分担者 若尾 真治  早稲田大学, 理工学術院, 教授 (70257210)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード電気機器工学 / 設計最適化 / トポロジー最適化 / 随伴変数法 / 回路連成
研究実績の概要

感度解析を援用したトポロジー最適化は,収束が速く,モーター等の時間方向に対して空間電磁界が変化する問題に対して効果的である.2020年度は,「時空間非線形電磁界現象を考慮した設計最適化手法の開発」のため,電気回路と電磁界を連成させた状態における随伴変数法を提案・開発した.本手法では,電磁界解析で使用する有限要素法と回路方程式を連成させて,状態変数(磁気ベクトルポテンシャル・電流)を求解し,最終時刻から初期時刻へ向けて,随伴変数に関する終端値問題を解く工程で構成される.時間領域随伴変数法では,順問題で求まった各時刻ステップにおける状態変数を全て保存する必要があり,時間ステップ数が膨大になった場合,大規模なメモリーが必要となる.そこで,我々の研究グループでは,効果的にメモリを削減できる方法を提案し,実用に資する手法を提案した.
さらに,誘導電動機の設計最適化で使用できる時間領域随伴変数法に基づく感度解析手法へも応用し,高精度な感度解析に成功した.定常状態における感度を見積もるため,二段階で時間領域随伴変数を実施し,全時刻ステップの感度から,過渡状態における感度を差し引くことで,定常状態における感度解析を実施できることを明らかにした.今後は,同期電動機の回路連成を考慮した設計最適化に加えて,誘導電動機の設計最適化についても実施する予定である.
以上の結果は,2021年3月に開催された電気学会全国大会において発表を行った.また,電磁界解析に関する国際会議COMPUMAG 2021でも発表する予定である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

時間領域随伴変数法を電磁界・電気回路連成解析へ拡張することに成功し,さらには,誘導電動機の感度解析も実施することができたため,おおむね順調に進展しているといえる.

今後の研究の推進方策

同期電動機・誘導電動機で使用する電磁鋼鈑の磁気特性データを高速に測定する必要性が生じている.現状,LabVIEW による自動測定システムをある程度構築できているが,周波数を変化させた場合の自動測定系を実装することができていない.今後,LabVIEW をさらに拡張して,完全自動計測システムの構築を目指す.
また,コロナ禍においても,学生達へテレワークを積極的に実施できるハード・ソフトウェアを実装し,当初の目的に沿って,研究を進める予定である.

次年度使用額が生じた理由

磁気特性の測定において,電磁鋼鈑の応力印可装置とその周辺機器の購入の必要性が生じたため.2021年度上半期中に,再度,当該機器の仕様を検証し,下半期に発注する計画を予定している.

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (8件)

  • [雑誌論文] Nondestructive Estimation of Magnetization Distribution in Permanent Magnet Using Quasi-Newton Method Based on 2-D Fourier Series Expansion2020

    • 著者名/発表者名
      Narichika Nakamura, Yoshifumi Okamoto, Kenta Osanai, Satoshi Doi, Tetsuya Aoki, and Keichi Okazaki
    • 雑誌名

      IEEE Transactions on Magnetics

      巻: 56 ページ: 6700305

    • DOI

      10.1109/TMAG.2019.2948854

    • 査読あり
  • [学会発表] PDEフィルタを援用したトポロジー最適化によるアウターローター型SPMモーターの構造複雑性低減に関する検討2021

    • 著者名/発表者名
      荒瀬浩平,子田陸,岡本吉史
    • 学会等名
      電気学会 静止器・回転機合同研究会
  • [学会発表] 最急降下法とレベルセット法を併用したトポロジー最適化手法によるIPMモータのマルチマテリアル構造最適化2021

    • 著者名/発表者名
      山下祐輝,子田 陸,片山一哉,岡本吉史
    • 学会等名
      電気学会 静止器・回転機合同研究会
  • [学会発表] 磁気非線形性を考慮した時間領域随伴変数法による誘導電動機の感度解析に関する検討2021

    • 著者名/発表者名
      山野眞輝,山下祐輝,片山一哉,岡本吉史
    • 学会等名
      電気学会 全国大会
  • [学会発表] 実数値遺伝的アルゴリズムによるアウターロータ型同期電動機の鉄芯・永久磁石・磁化角の設計最適化2021

    • 著者名/発表者名
      子田 陸,荒瀬浩平,岡本吉史
    • 学会等名
      電気学会 全国大会
  • [学会発表] LabVIEWによる波形自動制御機構を実装した単板磁気特性試験法に基づく磁気測定システムの開発に関する検討2021

    • 著者名/発表者名
      風見浩之,大倉寛ノ介,角 和樹,岡本吉史
    • 学会等名
      電気学会 全国大会
  • [学会発表] 時間領域随伴変数法を用いた磁界・電気回路強連成解析における設計感度解析に関する検討2021

    • 著者名/発表者名
      片山一哉,山下祐輝,山野眞輝,岡本吉史
    • 学会等名
      電気学会 全国大会
  • [学会発表] フーリエ級数展開を援用したマルチマテリアルトポロジー最適化手法の収束特性改善2020

    • 著者名/発表者名
      子田 陸,山下祐輝,岡本吉史
    • 学会等名
      電気学会 静止器・回転機合同研究会
  • [学会発表] 誤差補正による時間領域渦電流解析から得られる電磁力の計算精度改善に関する検討2020

    • 著者名/発表者名
      飯野 智也,岡本 吉史,阿波根明,木田佳孝,仙波和樹,山田隆
    • 学会等名
      電気学会 静止器・回転機合同研究会

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公開日: 2021-12-27  

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