研究実績の概要 |
本研究のコンセプトは屋内外をシームレスにつなぐ『疑似雑音符号系列による知的照明光通信ネットワーク』の実現である。本研究では、情報を埋め込んだ照明光による屋内通信システムを構築することを目的とする。特に、(a) 照明機能・信号現示機能、(b) 通信機能、(c) 測位機能、(d) 物理層セキュリティ機能、を兼ね備え、申請者が独自に考案した『振幅レベルを2段階に制限した疑似雑音符号系列による知的照明光通信システム』の構築を目指す。本研究では、『基礎的性能検討段階』、『機能性能向上検討段階』、『統合化検討段階』の3段階を分けて検討する。その成果は以下の通りである。 [1] 「拡張プライム符号を用いる可変Nパラレルコードシフトキーイング(VN-CSK)システム」をRGB-LEDsに拡張し、測位システムへの適用を検討した。本方式は調光制御機能および測位機能を備えた通信方式の1つである。本方式を実現するために、照明光間干渉とR,G,B光間の干渉を変形擬直交M系列を用いることにより解決した。 [2] 疑似雑音符号系列により光フィンガープリント測位法の性能向上法を検討した。壁からの反射波の影響についても検討した。本測位法の強化法の1つとして、測位性能を維持しながら計算量を低減できる多段階で存在位置セルを探索する方法を考案した。さらに、床面の参照信号点配置を等間隔な格子状配置にすることよりも、μ法則に従う不等間隔格子状配置が性能向上できることを明らかにした。 [3] R,G,B光秘密分散法と[1]のVN-CSK方式を融合する方式を検討した。また、人間の眼に与える影響を小さくするために各照明機器が非同期に点滅、しかも0連続(オフ期間)の長期化を軽減できる視覚復号型秘密分散法を提示した。N段シフトレジスタから生成されるM系列を利用することによりオフ期間をNチップ時間以内になるように設計した。
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