| 研究課題/領域番号 |
19K04368
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| 研究機関 | 東京工業大学 |
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研究代表者 |
松田 哲直 東京工業大学, 工学院, 助教 (00638984)
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| 研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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| キーワード | 非同期通信 / マルチユーザ情報理論 / 情報源符号化 / 通信路符号化 / 達成可能領域 |
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| 研究実績の概要 |
様々なIoTデバイスの登場により、複数の送受信者が同時に通信を行う機会が増加している。このような通信では、送信者が遠隔地に存在することが想定されるため、全送信者が完全に同期して同時刻に動作することは困難である。したがって、同期していることを仮定しない非同期通信を考えることが重要になる。本研究では、非同期通信における通信速度やデータ圧縮率の理論限界を、いくつかの通信システムに対して解明することを目的とする。またこの目的を通じて、非同期通信の理論限界の解明に向けた基礎理論を構築することを目指す。2020年度には以下の成果を挙げた。
複数の送信者が雑音のない高信頼な通信路を通じて、受信者にデータを送信する際に用いられる通信システムにWyner-Ziv(WZ)システムがある。この通信システムでは、2名の送信者のうち1名の保有するデータは圧縮してから、もう1名の保有するデータはそのまま単一の受信者に送信する。受信者は各々の送信者から受け取ったデータをもとに、圧縮されたデータを歪みを許容して復元する。この通信システムに対して非同期通信におけるデータ圧縮率の理論限界を解明するために、まずは同期通信における理論限界を詳細に研究し、その理論限界がデータの取り得る値の集合によって表されるグラフの彩色数によって特徴づけられることを示した。また、この成果を国際会議（ISITA2020）において発表した。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究実績の概要において述べた成果は、2020年度に予定していたWZシステムに対する成果ではあるが、非同期通信における検討が不十分である。
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| 今後の研究の推進方策 |
今後は、本年度に得られた成果を参考に、WZシステムに対して非同期通信におけるデータ圧縮率の理論限界を明らかにすることを検討する。また、多重アクセス通信路符号化システム(MACシステム)と呼ばれる通信システムに対して、非同期通信における通信速度の理論限界を明らかにすることを検討する。MACシステムとは、複数の送信者が各々のデータを、雑音のある通信路を通じて単一の受信者に送信する際の通信システムである。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していたいくつかの会議がオンライン開催となり、それらに伴う旅費を使用しなかったことが、次年度使用が生じた原因である。次年度には、今後の研究の推進方策にもとづく研究を円滑に遂行するために、可能な限り多く会議発表などを行う。また、計算機シミュレーションなどを行うための計算機を購入することを予定している。これらの費用として次年度使用を利用する予定である。
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