本研究では、LED照明光を光源として符号拡散通信と色(波長)多重通信を組み合わせ、さらに多重信号分離にMIMO処理技術を用いることで、雑音耐性が高く、 かつ、IoT時代に対応できるマルチアクセス通信を実現することを目標とする。一方で、照明機器を用いた可視光通信では通信機能を付加したことにより、ユー ザにとって不快となる要因が生じないことが、ユーザ体感品質(QoE:Quality of Experience)を満足させる重要な条件として求められる。 本研究では、まず、波長多重通信の多重信号分離に用いるMIMO処理技術の逐次干渉キャンセラで行う通信路の伝搬行列の推定に、機械学習を用いることで、通信特性を向上させることを明らかにしてきた。 今年度は。順伝搬型ニューラルネットワークによる学習を用いた実験実証を行い、パイロットシンボルを用いることなく、4波長多重通信システムで良好な信号受信に成功した。誤り率特性についてもシミュレーションと一致することを確認した。このことにより確認した。波長多重信号の分離に機械学習を用いることで、各波長(色)の強度をより柔軟に設計することが可能になる。本研究成果を国際会議および査読付き論文投稿を行った。 さらに、ユーザ体感品質を高めるために、LED照明の演色性を評価項目として追加し、色温度と照度が一定で,演色評価指数Ra>90のLED照明光通信で送信可能な光ID数の検討を行い、緑LEDはスペクトルが広いLEDを用いることが必要など、詳細なスペクトル特性条件を明らかにした.これらの結果に基づき試作した、8色のLEDから構成される照明光通信用のLEDライトの評価を行い、設計通りのユーザ品質が得られることを明らかにした
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