研究課題/領域番号 |
19K04378
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研究機関 | 千葉工業大学 |
研究代表者 |
鎌倉 浩嗣 千葉工業大学, 情報科学部, 教授 (60344967)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 時空間符号化 / 可視光通信 / イメージセンサ / LED / 階層的符号化 / 二次元通信路 / 光直交周波数分割多重 |
研究実績の概要 |
本研究は,複数の発光ダイオード(Light Emitting Diode: LED)が二次元的に配置される点に注目し,カメラに備えられたイメージセンサ(Image Sensor: IS)で受信する可視光通信(Visible Light Communication: VLC)を高度道路交通システム(Intelligent Transport Systems: ITS)へ応用するものである.具体的な研究課題は,複数のLED から送出するデータをIS で受信するVLCにおいて,その通信範囲を拡大するための符号化技術と,異なるフレームレートで動作するカメラ受信機が混在するVLC 環境において,データレートの異なる複数のデータ系列を単一の送信機から送信する重畳伝送技術の確立である.中心的な課題は,IS を用いたVLC は,離散的に配置されたピクセルの分解能のために通信可能な距離に限界があるが,その限界を超えて通信を可能にする符号化方式の通信速度を高速化する符号化方式を検討し,実証実験によって,ビット誤りなしで可能な通信距離を明らかにすることである.当該年度に実施した研究の成果は,光空間周波数多重化したM個の離散点信号を送受信機間にあるダイナミックレンジに変換する非線形変換方式に取り組んだ.研究代表者が取り組む並列伝送方式は,M点離散フーリエ変換を経てN個の空間周波数多重信号を伝送するが,多重する空間周波数数が増加すると,ピーク・トゥ・平均電力比(PAPR)が高くなる問題があった.提案する非線形変換によれば,PAPRを下げることができ,多重可能な空間周波数数を増大させることができ,1フレーム当たりのビット数を大幅に増大させることができることを実験により明らかにした.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究計画書の通りに,データレートの異なる複数のデータ系列を単一の送信機から送信する重畳伝送技術の具体的構成の検討が進み,おおむね順調に進展している.成果発表の機会が,このような状況下で,やや遅れている.
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今後の研究の推進方策 |
研究計画書の通りに,データレートの異なる複数のデータ系列を単一の送信機から送信する重畳伝送技術の具体的構成の検討が進み,実験結果の整理もおおむね進んだので,国際会議において,発表し,論文誌投稿に向けて,準備していく.
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍で成果発表の機会が遅延したことからその使途がが次年度に回ったから
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