研究課題/領域番号 |
19K04393
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研究機関 | 滋賀大学 |
研究代表者 |
川井 明 (孫為華) 滋賀大学, データサイエンス学部, 准教授 (40517520)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 駐車案内 / 最適駐車経路 / 渋滞負荷分散 |
研究実績の概要 |
商業施設の大型駐車場でよく渋滞が起きる。その渋滞により、燃料や時間の損失以上に、来場者は気分が害され、購買意欲が減退し、店舗にとって機会損失になる。来場者に空満情報を提示しても、店舗入り口に近い場所に駐車したい者が多いため、人気エリアでの渋滞は回避しにくい。本応募では、来場者の駐車所要時間及び歩行時間を含むトータル時間が最短となる駐車経路を案内するシステムを提案する。 本手法では、施設のサーバは来場者が入場の際に(またはその前の段階から)、トータル時間が最短になる経路を案内する。サーバ側で場内の通路と駐車ゾーンの負荷を分散できる経路をリアルタイムに算出する。これらの経路に複数の駐車ゾーンが含まれており、かつ渋滞と思われるエリアを回避したものであり、これに従えば最も来場者の時間が節約される。 2019年度の研究進捗として、経路立案アルゴリズムに歩行者の歩行時間を組み込めるようにした。各々の駐車エリアに駐車する際の時間コストに、最寄りの入り口までの歩行時間を追加することで実現した。また、運転者によっては、車中時間を長めにとってもできるだけ歩行時間を短くしたい趣向があるため、歩行時間コストを追加する際、運転者側のパラメータで重みを変更するようにした。 本研究課題の途中関連成果をDICOMO2019(福島、2019年7月)、UEMCON2019(ニューヨーク、2019年10月)及び第80回ITS研究会(オンライン、2020年3月)で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画の通りに、経路立案アルゴリズムに歩行者の歩行時間を組み込めるようにした。各々の駐車エリアに駐車する際の時間コストに、最寄りの入り口までの歩行時間を追加することで実現した。また、運転者によっては、車中時間を長めにとってもできるだけ歩行時間を短くしたい趣向があるため、歩行時間コストを追加する際、運転者側のパラメータで重みを変更するようにした。 本研究課題の途中関連成果をDICOMO2019(福島)、UEMCON2019(ニューヨーク)で発表した。
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今後の研究の推進方策 |
主に以下の2点において、研究を推進していきたいと考えている。 ①駐車場の占有率予測の改良:当初は非常に限られた情報(入庫数と出庫数)だけで占有率を推定していたが、近年の駐車場の進歩やセンサーネットワーク技術の向上を鑑み、より精度の高い駐車情報を取得し占有率予測精度の向上を図る。 ②手法のスケーラビリティの向上:ゾーンの数が増える場合、各ゾーンの構造を分析し、ゾーンカスケード化(複数のゾーンを一つのゾーンとして仮想化)することで、経路計算複雑性の増大を防ぐ。
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備考 |
英国研究紹介雑誌"Impact Advancing Technology Research Insights"に関連紹介記事が載りました。本研究の経緯と方向性についてのインタビュー記事です。
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