本研究では衛星データにより、土壌劣化地域を抽出し、劣化の特徴に基づき乾燥型、塩害化型、潅水害型に分類する。また、劣化の程度を定量的に把握できるようにし、従来手法に比べ、より初期段階の劣化の検知を可能にすることを技術的達成目標とする。具体的には、電気伝導度EC値が2500mS/m以下の塩害化地域を検出する。さらに、現地での耕作者とその指導を行う農業政策関連機関を含めた利活用体制を構築する。 本年度は、昨年度同様、今までに地上で観測されたデータを基に、土壌情報を可視・近赤外域のマルチスペクトルセンサと熱赤外センサ搭載のドローン及び衛星データとを組み合わせ、土壌水分量及び土壌塩分濃度の定量的推定手法の開発を実施した。また、11月と3月に土壌劣化の激しい地域を訪れ、研究者及び生産者と話し合い、今後の継続調査の打ち合わせを行った。
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