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2020 年度 実施状況報告書

蛍光に着目した球体マーカによる画像計測技術の革新と応用分野の創出

研究課題

研究課題/領域番号 19K04406
研究機関富山大学

研究代表者

寺林 賢司  富山大学, 学術研究部工学系, 准教授 (20509161)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード蛍光球体マーカ / 三次元画像計測 / 高精度化
研究実績の概要

本研究では,新たな画像計測用マーカとして「蛍光球体マーカ」を用いて,三次元画像計測の相対精度の向上を目的としている.蛍光球体マーカは,撮影画像中において輪郭部分のコントラストが高く,また形状精度が高いことで,従来マーカである再帰性反射マーカよりも10倍ほど高精度にマーカ位置を検出することが可能であり(ミリピクセル検出),三次元画像計測の相対精度の向上に不可欠な基盤技術である.
三次元画像計測の相対精度の向上のために計測範囲を広げた場合,撮影系の被写界深度を超えた計測範囲では,蛍光球体マーカの輪郭にぼけが生じ,コントラストの低下をまねき,ひいては計測精度の低下につながる.この計測精度の低下を抑制することのできるマーカ検出アルゴリズムを2020年度の研究成果として得た.具体的には,撮影した蛍光球体マーカの輪郭部分に着目し,推定したぼけ量に応じた輝度値分布を撮影画像データに当てはめることで精密なエッジ検出およびマーカ検出を実現した.ぼけ量が大きいときに特に改善率が高く,ぼけ量が31pixelの際に約6.7倍精密にマーカ検出できることを確認した.このことは,計測範囲を広げたときの計測精度の低下を抑制できることを示しており,三次元画像計測の相対精度向上に寄与するものである.
三次元画像計測の相対精度をさらに向上させるためには,カメラキャリブレーションの精度向上が重要である.相対精度10^(-6)オーダを実現できるよう,高精度の位置検出が可能な蛍光球体マーカを用いて,熱膨張および自重による変形を考慮した校正器を製作した.三次元画像計測の相対精度の向上は,精密機械の運動の画像計測といった新しい応用分野の創出につながるものである.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

富山県産業技術研究開発センターに業務委託した三次元座標測定作業において,本研究課題で製作した「蛍光球体マーカを用いた校正器」の破損事故が複数回発生し,本校正器の修理と三次元座標測定作業のやり直しが必要となり,当該機関との調整を進めている.
なお,蛍光球体マーカの輪郭部分にぼけが生じる場合に計測精度の低下を防ぐことを目的としたマーカ検出アルゴリズムの開発については,当初の計画の通り完了した.

今後の研究の推進方策

蛍光球体マーカを用いた校正器の修理および三次元座標測定機を用いた値付け作業のやり直しを行い,本校正器を用いたカメラキャリブレーションの精度向上を検証する.また,計測空間を考慮したカメラの配置問題について検討する.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Position and Posture Measurements Using Laser Projection Markers for Infrastructure Inspection2020

    • 著者名/発表者名
      Sasaki Tohru, Shioya Ryo, Sakai Toshitaka. Kinoshita Shunki, Nojiri Takahito, Terabayashi Kenji, Jindai Mitsuru
    • 雑誌名

      Electronics

      巻: 9 ページ: 807-821

    • DOI

      10.3390/electronics9050807

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 蛍光球体マーカを用いた三次元画像計測における校正用画像数の削減2020

    • 著者名/発表者名
      可長海星, 寺林賢司, 笹木亮, 桐昭弘
    • 学会等名
      日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会2020

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公開日: 2021-12-27  

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