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2021 年度 実施状況報告書

水熱法による発電デバイスの医療・環境モニタリングセンサーへの応用

研究課題

研究課題/領域番号 19K04411
研究機関城西大学

研究代表者

ティティ レイ  城西大学, 理学部, 教授 (60807915)

研究分担者 森田 剛  東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (60344735)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード圧電定数 / KNbO3/LiTaO3 / KNbO3/LiNbO3 / PZT圧電材料 / 非鉛強誘電体材料 / 超音波アシスト水熱合成法 / 発電デバイス / 環境・医療センサー
研究実績の概要

本研究は独自に開発した「超音波アシスト水熱合成法」の超音波出力や照射周波数を最適化し50μm以上の膜厚を持つ圧電厚膜を制作し、共振デバイスとしての観点から厚膜の性能向上を行うことを一つの目標としている。また、エネルギー変換論に立脚した最適設計指針を確立することで、革新的な圧電発電デバイスを目指す。すなわち、開発した圧電厚膜材料を単に導入するだけでなく、本質的な設計指針を確立することで、新しい圧電発電デバイスとして医療・環境への応用展開を目標として研究を行っている。
昨年度は材料設計シミュレーションを行い単結晶基板上の圧電膜の電気機械結合係数及び圧電定数の性能向上には、ある一定の膜厚が必要であることが明らかとなった。シミュレーション結果を考案してLiTaO3単結晶を基板として非鉛圧電膜としてKNbO3薄膜、比較対象としてPZT薄膜を水熱方法を用いて制作した。得られた圧電膜の性質を走査型電子顕微鏡、X線構造解析により評価した。また、電気機械結合定数、機械的品質係数,圧電定数、光学性質の評価などを行った。
今年度は昨年のシミュレーション結果を元に材料設計の指針を念頭に基板材をLiNbO3とLiTaO3の2種とし、成膜の圧電定数のサイズ効果、共振周波数特性のシミュレーションを行った。
水熱法により作製された非鉛KnBO3/LiTiO3膜の圧電定数を非接触レーザドップラ振動計(LDV)方により求めることができた。この方法により周波数変調による圧電定数の変化を求め測定評価技術を確立することでデバイスとして応用を考える際の重要な指針となる。また、デバイスとしての利用実現に向けて先行研究としてPZTディスク型及びシート型圧電膜のAdironoソフトによるセンサーデバイスとしての機能と動作確認を行った。得られた研究成果の学会等での発表により関連分野の研究情報収取を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

今年度は昨年のシミュレーション結果を元に材料設計の指針を念頭に基板材をLiNbO3とLiTaO3の2種とし、成膜の圧電定数のサイズ効果、共振周波数特性のシミュレーションを行った。
また、作製された非鉛KNbO3/LiTiO3膜の圧電定数dを非接触レーザドップラ振動計(LDV)により求めた。この非接触評価法は周波数変調による圧電定数dの変化を求めることが可能なためにデバイスとしての応用を考案する際に重要な指針となる。さらに、先行研究としてAdrinoソフトによるセンサー制御プログラムを開発し、PZTディスク型及びPZTシート型圧電膜による心拍センサーとしての動作確認を行った。

デパイスとして応用するために必要な性能の測定評価、センサー制御プログラムなどは計画通り進んでいるものの当初、計画された超音波アシスト膜厚増強実験に関しては、機器の故障と修理等に遅れが生じているために目標とする厚みの膜の生成まで至ってない。しかしながら昨年の超音波アシスト無しの水熱法により作製された非鉛圧電膜の性能評価および今年実施した圧電定数dを非接触レーザドップラ振動計(LDV)法による周波数特性動作結果などから通常の水熱方法でも反応時間や反応液の濃度を最適化することで性質の良い膜の生成に有効であることが分かった。

今後の研究の推進方策

2021年度は、材料設計の指針を念頭に基板材をLiNbO3とLiTaO3の2種とし、圧電定数のサイズ効果、共振周波数特性のシミュレーションを行った。また、デバイスとしての応用に重要となる周波数変調による圧電定数dの変化を求める測定評価技術を確立することが出来た。さらに、先行研究としてAdrinoソフトによるセンサー制御プログラムを開発し、PZTディスク型及びPZTシート型圧電膜による心拍センサーとしての動作確認を行った。この制御プログラムにより単純なプログラム制御のみでセンサーとして動作することが分かった。

2022年度は遅れている超音波アシスト機器の導入による膜厚増強に関する研究を推進するとともに2021年度行っていた制御プログラムの開発、成膜の性能評価測定機器の改良、シミュレーションによるデバイスの設計指針などを継続して実施する予定である。そして得られた結果をフィードバックし改良を重ねることで応用デバイスの実装を実現する計画である。

次年度使用額が生じた理由

今年度は、圧電材料の発電デパイスとして応用するために必要な非鉛圧電膜の性能評価の測定方法の確立、センサー制御プログラムなどは計画通り進んでいるものの当初、計画された超音波アシスト膜厚増強実験に関しては、機器の故障と修理等に遅れが生じているために目標とする厚みの膜の生成まではいたってない。来年度は、膜厚増強の推進と応用デバイスの実装の実現のために必要な測定機器の整備、材料の購入及び情報収集等を行うため。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2022 2021

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] 解析シミュレーションによる非鉛材料の特性評価2022

    • 著者名/発表者名
      宮野 翔也,メイピョパイング,ティティレイ
    • 学会等名
      第69回応用物理学会春季学術講演会
  • [学会発表] Measurement of Piezoelectric Charge Coefficient of Piezoelectric Materials by Laser Displacement Sensor2022

    • 著者名/発表者名
      May Phyo Paing, Khin Phyu Phyu Sin, Thithi Lay
    • 学会等名
      The 69th JSAP Spring Meeting 2022
  • [学会発表] Detection of the pulse rate from fingertip using open-source Arduino software and piezo disc sensor2022

    • 著者名/発表者名
      Khin Phyu Phyu Sin, May Phyo Paing,Thithi Lay
    • 学会等名
      The 69th JSAP Spring Meeting 2022
  • [学会発表] 水熱法によるKNbO3/LiTaO3圧電膜の生成と特性評価2021

    • 著者名/発表者名
      ティティレイ、キンピューピューシン、メーピョーパイング
    • 学会等名
      第33回「電磁力関連のダイナミクス」シンポジウム

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公開日: 2022-12-28  

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