本研究では,匂いセンサシステムの構築に向けたガスセンサの応答解析手法を検討したものである.ガスセンサから得られるステップ応答波形から,その構成成分を推定,分離することは単に応答波形の良い近似が得られるだけでなく,その結果が解釈可能なものでなければならない.本研究では,ガスセンサ表面とガス分子との吸着過程が一次応答となる等の実システムにおいて考慮すべき前提条件を先験情報として用いることで解釈可能なガスセンサ応答モデルのパラメータ推定が可能であることを示した.今後は,ターゲットとなる成分以外に排除すべき成分を同時に含んでいることが想定される呼気診断の実現等への応用を検討する予定である.
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